メールワイズ

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メールのスピードとクオリティを向上しつつ、メール業務を4割削減することに成功(株式会社星野リゾート)

2012.6. 8

株式会社星野リゾート

■利用人数:無制限版 ■業種:宿泊業

SUCAI 兼 グループ情報システム システム担当 久本 英司氏
グループ情報システム システム・ゲストリレーション担当 佐藤 友紀子氏
総合予約 岡本 有美子氏


 

星のや軽井沢
星のや軽井沢

大手宿泊予約サイトなどで、常に人気ランキングの上位を占める「星のや軽井沢」。

その母体となるのが株式会社星野リゾートだ。「星のや」のみならず、全国の旅館・リゾートの再生を手がけ、その数はいまや十数か所にも及ぶ。
星野リゾート傘下になってから、顧客満足度が飛躍的に向上した施設も多いそうだ。

当初は「星のや」でのみ「サイボウズ メールワイズ」を利用していたが、現在は星野リゾート全体で利用している。

本記事では、そんな同社で顧客満足度向上の一翼を担った「メールワイズ」の利用事例についてご紹介する。

 


わずか3名で月7,000件あるメールでの宿泊予約に対応

【SUCAI 兼 グループ情報システム システム担当 久本 英司氏】

「そもそも旅行業界は、システム化が遅れてるんですよね」(久本氏)

 

久本氏がそう語るようにいまだに全国の旅館やホテルでは宿泊予約を手動で受けているところが多いという。

手動というのは、旅行代理店やネットAGT(※)からの予約票をドットプリンターで印刷する、あるいはOutlookなどのメールソフトでメールを受信し、担当者が予約の専門システムに打ち込む、といった感じだ。

星野リゾートグループ傘下にある各宿泊施設でも、かつてはそのように予約の受付を行っていた。

※ネットAGT:ネットエージェント、外部の大手宿泊サイトなど

 

2007年4月、全国の旅館・リゾートの運営事業の拡大に伴い、同社では、宿泊予約やお客様からの問い合わせに対応する「沖縄統合予約センター」を設立した。

 

それまで各施設ごとに受けていた、予約の電話、メール、旅行会社からの予約通知処理、といった予約業務を統合するためだ。同時に、今まで「星のや 軽井沢」で利用されていた「メールワイズ」を沖縄統合予約センターの標準のメール応対システムとして採用し、全施設の予約メールの集約を行った。

 

電話も含め、同センターで受け付ける宿泊予約は、一月に約22,000件。そのうち7,000件をメールで受け付けている。この大量のメールを、わずか3名で担当しているという。

 

【総合予約 岡本 有美子氏】

「名刺の住所は那覇市なんですけど、実は東京の自宅から仕事しているんです」(岡本氏)

 

3名のメール担当者は、沖縄には拠点を置かず、それぞれ自宅から沖縄のサーバーにアクセスして業務を行っている。

 

拠点が離れていても、「メールワイズ」で処理状況を共有でき、かつスカイプなどのコミュニケーションツールで適宜コミュニケーションを取っているので不便は感じないそうだ。


 

メール業務を4割削減することに成功、スピードに対する意識が変わった

かつて、各宿泊施設の担当者が手動で予約を受け付けていたときは、1件の予約を受け付けるのに5分はかかっていたという。自動予約取込システムの開発により、宿泊予約の申し込み・キャンセルは自動的に処理できるようになってきた。

 

これにより、これまで一件一件手作業で行っていた「処理作業」が少なくなり、現在は、お客様からの個別の要望や質問への対応を中心となって行っている。それも「メールワイズ」のメール検索機能を使って簡単に履歴を確認できるので、メール関連業務全体としては4割程度の業務削減になったという。

 

また、同センターでは積極的に「メールワイズ」の集計レポート機能を使っているという。

 

「集計レポートを使うことで、各担当者がどれぐらいの期間にどれぐらいメールを返せているか、明確になりました。」(岡本氏)

 

【集計画面】
【集計画面】

 

集計レポートは当然上司だけでなく、実際にメール対応を行っている担当者にも公開されている。ひと月に誰がどれだけのメールを対応できているか、分かっただけでなく、予想もしなかった副産物もあったという。それが「メールの対応スピード」だった。

 

一通のメール返信にかける時間の締切を決めたわけではない。それでも、集計レポートを公開することによって、担当者間にいい意味での緊張感が生まれ、結果として「メール対応のスピード」を向上させ、一通でも多くのメールをこなそうという意識が各担当者の間に生まれたのだという。

 

スピードだけではなく、見られることでメールの質も向上

数多くの宿泊施設やリゾートを抱える同社では、沖縄統合予約センターのほかに、一部の施設で独自のメールアプリケーションを持ち、施設の担当者自らが対応することもあるという。

 

【グループ情報システム システム・ゲストリレーション担当 佐藤 友紀子氏】

「メールワイズを導入する前に比べて、はっきりとメール対応のクオリティが上がったと思います。」(佐藤氏)

 

特にその傾向は、一部施設のブライダル部門で明確になったという。そもそも施設の予約から実際の挙式まで、一人の担当者がお客様と何度もやり取りを行うブライダル部門では、若いカップルと担当者が「お友達感覚」になってしまうことも少なくなかった。

 

以前は、個人のメーラーでメール対応をしていたため、他の担当者や上司にやりとりを見られることもない、結果的に、メールの品質にもばらつきがあったという。

また、担当者が不在の際に、他のメンバーが問い合わせへのフォローをするということも難しかった。

 

メールワイズを導入してからは、担当者不在でも、他の担当者がフォローすることで対応時間の短縮を実現できた。また、「メールを他人に見られる」という意識が、メールの内容にも反映され、いわゆる「お友達感覚」のメールが自然となくなっていったのだという。

 

そればかりか、他人のメール対応を共有できるため、良いお手本を参照し、各担当者のスキルアップにもつながっている。

 

結果として表れたもの

同社では、実際に宿泊・利用されたお客様に対して「満足度調査」というアンケートを実施している。このアンケートの「予約」項目をメール対応の指標として、改善点や次の目標などを策定しているそうだ。

 

沖縄予約統合センターが設立される前、社内では「満足度調査」の結果が下がるんじゃないかと懸念されていたこともあった。しかし、実際に運用をはじめてみれば、それは杞憂であった。

 

「沖縄統合予約センターに予約業務を移管後、最低でもこれまでのポイントを維持、複数の施設では満足度の向上が見られました。特にメール応対に関しては「メールワイズ」を用いて「星のや 軽井沢」で培ってきたノウハウを他の施設でも適用できたのがよかったのだと思います。」(久本氏)

 

もちろん顧客は、メール対応のツールが変更されたなど知る由もない。また、上層部から「スピードを上げろ」「メールの質を向上しろ」と直接の指示が下ったわけでもない。それでも担当者が自ら対応スピードを向上させ、内容の品質を高めるよう意識しはじめた。その結果としてお客様から満足を得られているという事実が「メールワイズ」の何よりの導入効果ではないだろうか。

 

現在、宿泊予約とお客様からの問い合わせの割合は7対3ぐらいだという。お客様の生の声が集まる予約センターでは、お客様から届く声を毎日まとめて全施設に発信・共有しており、新たなサービスや業務の見直しに役立てている。

 

最後に、今後のビジョンとして、以下のように締めくくっていただいた。

 

「予約システムへの登録処理やレストラン・スパなどの付帯施設の手配などは徹底的に自動化して効率化していき、スタッフが介在するメールでの対応においては、お客様一人一人のご要望に細やかにお応えできるよう、よりパーソナル対応を目指していきたいですね」(佐藤氏)

 

ゆくゆくは宿泊だけでなく、レストランや他の施設など、全社で「メールワイズ」を使いたいという同社。顧客満足度を維持向上し、感動を生み出すのはテクニックではなく、常に前向きに会社を変えていこうという姿勢なのかもしれない。

 


 

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