自社製品だから知っているサポートセンター運営の秘訣
今回、栗山と二人で松山までインタビューへ行ってきました。
第二回は、我々サイボウズ社が松山に構えるサポートセンターの利用方法をお送りします。
サポートセンターでの利用はメールワイズがよく使われている部門です。
ネットショップと1,2を争うような状況です。そこで、弊社サポートセンターでの利用方法をご紹介いたします。(※担当者の役職などは取材当時のものです)

松山サポートセンター スーパーバイザー 濱田 淳子(左)
インフォメーショングループ リーダー 井﨑 浩城(右)
まずは松山サポートセンターの体制を教えてください。
松山サポートセンターには大きく分けて2つのセクションがあります。ひとつは「インフォメーション」グループ、もうひとつは「テクニカルサポート」グループです。
インフォメーションとテクニカルサポートの役割を教えてください。
インフォメーショングループでは主に購入前にお客様からのお問い合わせに対応しています。価格に関するお問い合わせが大半ですが、弊社からお送りしたDMやメールの不明点などが着信したりもします。
テクニカルサポートグループは主に購入後のお客様から利用方法のお問い合わせを着信したり、トラブル時のサポートを行ったりしています。
※「インフォメーションセンター」=「インフォ」と「テクニカルセンター」=「テク」と呼んでいます。
お二人はどんな業務を担当していますか?
松山サポートセンター全体の電話対応品質向上であったり、適切な体制を敷けるように日々の問題点を洗い出したりという業務を担当しています。
インフォメーショングループのリーダーです。具体的な業務としましてはインフォメーション業務のバックサポートを行います。メンバーからのエスカレーションを受けて電話対応をしたり、メールチェックを行います。メンバーの研修も私の担当です。
豆知識ですが、松山オフィスにはサポートセンター以外に松山開発部という組織があります。
この松山開発部は我らがメールワイズを開発している部隊なのです。メールワイズの開発者は実はサイボウズ社内でも1・2を争う腕だとか・・・。では続けましょう。
メンバー全員がマルチ対応(電話&メール)できるセンター運営
今日はインフォメーショングループで利用するメールワイズについてお聞きします。インフォメーションセンターの体制を詳しく教えてください。
はい、インフォメーショングループは私を含めて6名で運営しています。電話担当が3名、メールが2名(1名はパッケージ・1名はクラウド)の現場メンバー5名と、バックサポート1名の計6名になります。電話・メールの担当は1ヶ月ごとにローテンションを行います。メンバー全員がすべての業務を担当できるようにしています。
サポート部門はローテーションは必須ですね。
実は、メールワイズのマーケティングを担当する前はサポートセンターも担当していました。
メンバー全員でローテション組むためには、各メンバーがマルチ対応(電話&メール)できないと実現できません。また、スキルのみで実現するには膨大な教育時間が掛かります。
早期に実現する場合、スキルとツールの組み合わせは必須です!
インフォメーショングループのリーダーとして、大切にしていることはありますか?
とにかく履歴を残すことです。必ず、メール or 電話に関わらず可能な限り詳細な履歴を残すように徹底しています。また、その履歴を一日の終わりに見直す時間を設けていまして、振り返りを行うようにしています。

【優しい微笑でメンバーにアドバイスする井崎氏】
※井崎氏は画面のぞき込んでメールのチェックしていません。メンバーへお問い合わせ対応のアドバイスしていました。
一番始めに口をついてでるほど履歴が大切ですか?
大切ですね。サポートに対するお客様の不満はほとんどが履歴を共有できていないことに端を発すると言っても言い過ぎではないかもしれません。それも前回対応の内容だけでなく、そのお客様固有の癖や話し方、反応が大きいキーワードなど、どんなことでもいいので履歴に残して共有します。
お客様ごとの注意すべきキーワードなんかも共有しています(笑)。キャンペーン中やその時々で必要になるキーワードなんかがあったりしますので、それらを集計したりもしています。
上手く履歴の登録と共有ができていないサポートセンターは、「履歴を徹底的に残して共有する」をやってみてください。劇的な変化を感じることができると思いますよ。
履歴を徹底して残す。
質の高い履歴が共有できた時点で、もう80点に到達です(笑)
サポートセンターでは当たり前ですが、実際は個人ごとの癖など個性的な要素が出てしまい、日々ルールと統一するなどが運営側にも求められる点ですね。
サポートセンターにとって誤案内、誤送信は致命的
ありがとうございます。ではメールワイズの利用方法について聞かせてください。
全部・・・ですかね。まずはメールですが、メールは担当するメンバーが自分で書いて、必ず私がチェックします。大抵は金額の説明が入いるので、例外なく全件チェックです。この時にまさか担当者の画面をのぞき込んでO.K.という運用は、とてもではありませんが回りません。電話のバックサポートを行いますし、私自身が電話に出ることもあります。
その場合、どうやってチェック作業しているのでしょうか?
メールワイズであれば、担当者が作成したメールをチェック待ちのステータスにしておけば、私は絞り込んでこのメールをチェックして、送信待ちステータスに変更するといった運用が可能です。
メールワイズの最も基本的な機能であるメール共有の機能でカバーできる内容ですね。
サポートセンターにとって、誤案内、誤送信は致命的になります。2重チェックは基本中の基本ですが、大規模サポートセンターならいざ知らず、中堅・中小規模では明確に役割分担をして何重にもチェックをかけるということは困難です。みんな何かしらの工夫をしながらチェックをしていると思います。私たちはメールワイズを利用して行っています。
実際にサポートセンター時代は利用したことがある機能です。
自席にいながらにして、各メンバーが作成したメールをチェックできるこのすばらしさ。
自分がチェックしてステータスを変えるだけで、チェックが済んだことが伝わるすばらしさ。
しつこいですね(笑)
でも、世のすべてのサポートセンターで味わって頂きたい爽快感です!
その他にもメール共有機能で利用していて便利だなと思うことはありますか?
受信メールの共有はお問い合わせそのものですので、よく共有するというのは行われています。ただ、メールワイズを利用していると送信メールも共有されているのはいいですね。送信メールを共有すると間違いがなくなったり、新しいメンバーが入ってきたときにも品質を保つことにつながる。
それ以外に、リーダーとしておススメありませんか?
もちろんあります。他はテンプレート機能です。テンプレートを作成することもかんたんですし、共有もかんたんで、さらに共有テンプレートを利用することもかんたんです。是非、テンプレートは有効活用してほしいですね。
テンプレート機能のことは、それだけですか?
まだまだあります。例えば返信ボタンをクリックすると、自動で挨拶文など指定したテンプレートが書き込まれた状態になっています。そのおかげで、我々は内容だけに集中することが出来るので。でも、テンプレートの挨拶文なので注意は払っています。
もっと具体的に言うと、初回問い合わせなのか、2回目以降なのか、ちゃんと過去履歴を確認して失礼がないよう挨拶文を少し変えたりして気持ちを込めています!これぞ、メールワイズのテンプレート機能と履歴管理による機能コラボが成せる技です!!
サイボウズのサポートセンターではお問い合わせに対して2営業日以内に返答することをお約束しています。メールワイズは受信箱の任意の箇所にラインを引いて文字を書くことが出来るようになっています。
そこに『今日はここまで!』といった形でラインを引けば、これもメールワイズを閲覧しているメンバー全員の受信箱にラインが現れます。2営業日を意識して仕事をしてもらうためにこのラインは非常に重要な機能です。
さすが、スーパーバイザーですね。その様な意識づけも品質管理の一環なんですね。
あと、あまりお客様では一般的な使い方ではないかもしれませんが。メールを移動する機能です。松山サポートセンターで利用しているメールワイズがメールアプリが『テクニカル』『インフォ』『cybozu.com』『ガルーン』『サービス系』という形で分かれています。
インフォメーショングループは『インフォ』に着信するメールを担当してるわけですが、中には既存のお客様から技術的な質問があったり、『cybozu.com』にパッケージ版の内容が着信したりすることもあります。
本来は、別グループの担当者が対応するメールを、インフォメーションメンバーが対応するのですか?
そこで、ひとつ重要な機能があります。そんな時はメールに折り返しフラグをつけて、その適切なメールアプリに移動するだけで、移動先の担当者が対応する仕組みが出来ています。
このお問い合わせの担当や部門をまたいだ受け渡しは非常にミスが起こりやすい瞬間です。メールワイズを使うとミスが起こりやすい受け渡しも仕組みでカバーすることができ助かっています。おすすめの使い方です!
ありがとうございました。とても参考になるお話を聞かせて頂くことが出来ました。
実はまだまだお伝えしきれなかったメールワイズの使い方もありました。
また機会があれば、お伝えしたいと思います。