メールワイズ by サイボウズ

ビジネスメールの書き出しマナー&文例(全67パターン)

メールの書き方
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この記事の内容

    ビジネスメールの書き出し 基本マナーと注意点

    ビジネスメールは宛名からはじまり、挨拶・名乗り、要旨・詳細、結びという順番で続けていきます。この中の「挨拶」部分が、今回取り上げる「書き出し」にあたります。

    ビジネスメールでは「拝啓」「敬具」は入れなくてもよい

    案内状や送付状のようなビジネス文書と異なり、ビジネスメールでは、書き出しの「拝啓」や結びの「敬具」などを入れなくてもよいとされています。ビジネスメールには、ビジネスメールの書き方があると理解しておきましょう。

    宛名は必ず記載する

    宛名を省略すると失礼な印象を与えてしまいかねません。フルネームであれば、より丁寧な印象を与えます。具体的な宛名の書き方は、次の通りです。

    • 社外向け:会社名+部署名+名字(もしくは、姓名)+敬称
    • 社内向け:名字+敬称 もしくは 名字+役職名

    名字や姓名の後には「様」などの敬称をつけます。目上や目下を気にすることなく使える「様」が便利です。「殿」は目上の人が目下の人に対して使うものとも言われているため、間違えないようにしましょう。

    相手に役職がある場合には、「名字(姓名)+役職」とします。役職が敬称にあたるため、「名字(姓名)+役職+様」は間違いです。相手が複数の役職を兼任している場合などには、あえて役職を書かずに「名字(姓名)+様」としてもよいでしょう。

    社内の場合、敬称に「さん」を使うことも珍しくありません。頻繁にやりとりをする相手や身近な相手であれば、「さん」でも問題ないでしょう。

    「お世話になっております」などの挨拶は毎回入れる

    宛名の後には必ず挨拶を入れましょう。「お世話になっております」「お疲れ様です」は、いつどのような場面でも使えます。また、「おはようございます」「夜分遅くに失礼いたします」などの時間帯に合わせた挨拶を入れることも可能です。

    名乗りは、社外向けは会社名+名字、社内向けは名字

    社外の相手に初めて連絡する際や改まったシーンでの名乗りは、「正式な会社名+名字(もしくは、姓名)」を記載します。送信者名を設定してあるからと省略せず、宛名と同じように丁寧に書きましょう。社内では名字が基本ですが、社員が多い場合や同姓同名の人がいる場合には「姓名」「部署名+名字」「部署名+姓名」などとすると親切です。

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    ビジネスメール 基本の書き出し

    ここでは、ビジネスメールの基本的な書き出しを見ていきましょう。

    件名:
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    本文:
    株式会社◯◯◯◯
    □□部
    ●●●様

    初めてご連絡いたします。
    株式会社△△ ■■部の▲▲▲▲と申します。

    貴社サイトを拝見し、メールをお送りいたしました。

    弊社では××のサブスクリプションサービスを提供しております。
    この度、新サービスの無料お試しキャンペーンを開催することになりました。
    つきましては、・・・(省略)・・・

    【社外向け】すぐに使える挨拶文例 応用編

    社外向けの挨拶は、相手との関係性に合わせて変えることも可能です。何度もやりとりする関係性の場合、お世話になる頻度が高い場合は「いつも」、お世話になる程度が大きい場合は「大変」をつけます。面識がない方に初めてメールを送る場合や、しばらく時間が空いてしまった場合など、以下の文例を参考にシーンに適した挨拶を選びましょう。

    関係性・状況

    挨拶・名乗りの一例

    面識がない

    〇〇株式会社の●●と申します。初めてメールをお送りします。

    名刺交換のみ

    先日の〇〇で名刺交換させていただきました●●です。

    久しぶりに連絡

    大変ご無沙汰しております。

    前回迷惑をかけた

    先日の〇〇では大変ご迷惑をおかけしました。

    引継ぎの挨拶

    ××に代わり〇〇様の担当をさせていただきます、●●と申します。

    1日に何度も送る(一方的に続けて・五月雨式に)

    度々失礼いたします。

    先ほど電話でお話した

    先ほどはお電話にてありがとうございました。

    書き出しでよく使うフレーズは、敬語の使い方に要注意

    メール本文冒頭の書き出しは相手の目につきやすいため、正しい敬語表現を心がけましょう。以下の【A:メールを送る目的】に【B:メールを使って何をするか】を繋げて使います。

    (例)見積金額の確認をさせていただきたく、ご連絡しました。

    【A:メールを送る目的】

    何かをしたいとき

    ~の確認をさせていただきたく

    何かをさせてほしいとき

    ~についてご相談(変更)させていただきたく

    ~のご相談(変更)で

    何かをしてほしいとき

    ご確認いただきたく(×ご確認していただきたく)

    訪問したいとき

    伺いたく(×伺わせていただきたく)


    【B:メールを使って何をするか】

    連絡したとき

    ご連絡しました / ご連絡いたしました

    報告(回答/共有)するとき

    ご報告(ご回答)いたします

    共有させていただきます

    シーン別 ビジネスメールの書き出し文例

    ここからは、ビジネスメールの書き出し文例をシーン別に見ていきましょう。概要を書き出しに記載することで、本文の内容がスムーズに伝わりやすくなります。相手に伝えたい結論や求めるアクションを最初に示すということです。

    初めて連絡する相手への書き出し文例

    • 初めてご連絡いたします。
    • 初めてメールをお送りいたします。
    • 突然のご連絡失礼いたします。
    • 貴社サイトの〇〇を拝見し、ご連絡いたしました。
    • 〇〇様からご紹介いただきました。

    面識がなく初めて連絡する相手への書き出しでは、信頼を得るために正式な会社名、役職名、名字(もしくは、姓名)や、連絡先を知った経緯を明記することが重要です。宛先の名字(姓名)がわからない場合には「ご担当者様」とし、会社名のみわかっている場合には「〇〇御中」としましょう。

    電話やWeb会議でやりとりした相手への書き出し文例

    • Web会議(お電話)では、貴重なお時間をいただきありがとうございます。
    • 先ほどのミーティングにご参加いただき、ありがとうございます。
    • 先ほどはお時間をいただき、ありがとうございます。
    • 先ほどお電話(Web会議にてお話)させていただきました〇〇です。
    • 先日、ご挨拶させていただいた〇〇です。

    メールを送る前に電話やWeb会議でやりとりした場合、書き出しではお礼を述べるのがマナーです。会ったり話したりしたことがあるにもかかわらず、初めて連絡すると書くのは失礼にあたるため注意しましょう。

    久しぶりに連絡する相手への書き出し文例

    • お久しぶりです。
    • 大変ご無沙汰しております。
    • 長らくご無沙汰しております。〇〇でご一緒させていただいた●●です。
    • ご無沙汰しておりますが、その後いかがお過ごしでしょうか。
    • 暑い(寒い)日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。

    しばらく連絡していなかった相手にメールを送る場合、最後に会ったり話したりしたのはいつどのような場面だったのかを具体的に示しておくと、思い出してもらいやすくなります。

    一方的に続けて・五月雨式にメールを送る際の書き出し文例

    • 度々(続けて)失礼いたします。
    • 度々申し訳ございません。
    • 立て続けのご連絡にて失礼いたします。

    同じ相手から短時間に何度もメールが送られてくることを好まない人もいるため、相手への配慮を示しましょう。

    お礼・感謝の気持ちを伝える際の書き出し文例

    • 先日の〇〇ではありがとうございました。
    • 先日はお忙しい中お越しいただき、ありがとうございました。
    • いつも〇〇をご利用いただき、誠にありがとうございます。
    • この度は弊社の〇〇をお買い上げいただき、誠にありがとうございます。
    • 昨日は、心のこもったおもてなし、誠にありがとうございました。

    お礼や感謝の気持ちを伝える書き出しの場合、ほかの書き出し文例の前につけて組み合わせましょう。そうすることで、気持ちがより伝わります。

    メールを返信する際の書き出し文例

    • 早速のご返信をありがとうございます。
    • 迅速なご回答ありがとうございます。
    • 早々にご連絡いただき、ありがとうございます。
    • この度は〇〇についてご連絡(お問い合わせ/お声がけ/ご意見を)いただき、誠にありがとうございます。

    ビジネスメールに返信するには、相応の時間と手間がかかります。まずは返信をもらえたことに対する感謝を伝えましょう。特に、クレーム対応やお断りを入れる、否定や反論を伝える必要があるなど、難しい内容のときこそ、書き出しでお礼や謝罪の気持ちを丁寧に伝えておくとよいでしょう。

    お詫び・謝罪の気持ちを伝える際の書き出し文例

    • この度は〇〇の件でご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
    • 〇〇の件、対応(返信)が遅れており大変申し訳ありません。
    • 大変申し訳ございませんが、先ほどお送りした〇〇が間違っておりました。

    お詫びや謝罪メールの場合、宛名と挨拶・名乗りは正式名称で記載します。本文の書き出しは、最初に謝罪の言葉を述べましょう。ミスを認め誠意を持ってお詫びをすることで、信頼回復に努めます。

    お願いや依頼をする際の書き出し文例

    • 〇〇の件について確認(質問/ご相談/お打ち合わせ/ご提案)させていただきたく、ご連絡いたしました。
    • 〇〇についてお力をお借りしたく、ご連絡いたしました。
    • 〇〇の件、恐れ入りますが明日までお時間をいただけませんでしょうか。

    お願いや依頼は、相手の仕事を増やすことを意味します。快く受け入れてもらえるよう、相手にねぎらいや感謝の言葉をかけましょう。事情も考慮しつつ丁寧にお願いすることが大切です。

    催促する場合の書き出し文例

    • 〇月〇日(〇)にお送りした〇〇の件ですが、その後いかがでしょうか(ご不明な点などございませんか)。
    • 〇月〇日(〇)がご返信の期限でしたが、本日時点でメールが届いていないようです。お忙しいところ恐縮ですが、ご確認いただけませんでしょうか。
    • 〇〇をお送りいただく期日が過ぎておりますが、進捗はいかがでしょうか。
    • 〇〇が添付されていないようでしたので、恐れ入りますが再送していただけませんでしょうか。
    • 〇〇について、早急にご対応をお願いしたくご連絡しました。

    催促メールの書き出しは、緊急度によって文例を使い分けましょう。基本的に相手を尊重し、気分を害さない表現を心がけます。期日前なら状況伺いとし、期日を過ぎたら確認したかどうか、それでも返信などのアクションがなければ少し強めの表現を用いましょう。

    期限を過ぎるには、何らかの理由があるはずです。「恐れ入りますが」「恐縮ですが」「お手数ですが」といったクッション言葉を活用して、印象を和らげましょう。相手に説明の余地(逃げ道)を残すことが大切です。

    お断りする場合の書き出し文例

    • ご期待に沿えず誠に残念ですが、予算の都合で厳しい状況です。
    • せっかくのご提案ですが、今回は見送らせていただきたいと存じます。
    • 〇〇のお誘い、ありがとうございます。せっかくお声をかけていただきましたが、当日はあいにく予定が入っております。

    ビジネスでは相手からの提案や申し出、誘いを断ることも珍しくありません。お断りの場合、クッション言葉を活用し角が立たないように配慮しましょう。さらに「今回は」「現状では」「現段階では」などの言葉を加えると、全面的に拒絶するニュアンスが軽減され、今後の可能性を残しておくこともできます。

    苦情を伝える場合の書き出し文例

    • 納品していただいた〇〇の不具合について、お問い合わせいたします。
    • 〇〇について確認したところ、〇〇の箇所が異なっているようです。
    • 〇〇につきまして、指定した仕様と異なることが判明いたしました。

    苦情を伝える場合には、冷静に客観的事実を伝えることが重要です。感情的に責め立てることなく、やわらかい表現で伝えるようにしましょう。

    報告・共有・お知らせしたい場合の書き出し文例

    • 〇〇の進捗に遅れが出ているためご報告いたします。
    • 〇月〇日(〇)の営業会議議事録を共有します。
    • 〇〇の変更についてお知らせします。
    • 〇〇の契約書を添付します。
    • 〇〇が届きました。確かに受領いたしました。
    • 〇〇の件について、〇〇様からご指摘(お叱り)を受けました。

    報告、共有、お知らせなど、相手に送るメールの目的を伝えましょう。

    日時を連絡する場合の書き出し文例

    • 〇月〇日(〇)の〇〇にご出席いただきたく、ご案内申し上げます。
    • 〇〇について、恐れ入りますが本日中(〇日まで)にご回答いただけませんでしょうか。
    • 次回の納品は、〇月〇日(〇)〇時で承りました。

    日程調整や納期の連絡など、日時の連絡はビジネスシーンではよくあることです。具体的な日時を記載することで、思い違いや誤読を防ぐことができます。日時を連絡する際には、日付と時間だけでなく曜日もあわせて記載しておくと、より相手に正確に伝えることができるでしょう。

    メールを転送する場合の書き出し文例

    • お客様からのお問い合わせを転送します。お手数ですが、〇〇についてご回答をお願いします。
    • 〇〇の案内が届きました。ご興味がおありかと思いますので転送いたします。
    • 先日の会議資料を転送いたします。ご指摘いただいた課題の対策を講じる必要がありますので、ご一読いただければ幸いです。

    転送文の前に経緯や目的を添えるようにすると、相手がアクションを取りやすくなります。転送したメールが見てもらえていなかったということのないように、きちんと説明しましょう。

    業務を引き継いだ場合の書き出し文例

    • 前任者の〇〇がお引き立てをいただき、誠にありがとうございます。
    • この度、〇〇に代わり〇〇様の担当をさせていただきます、〇〇と申します。
    • 〇〇の件について、〇〇に代わり〇〇から説明させていただきます。

    担当者交代のメールを送る場合、新しい担当者として着任の挨拶をします。交代の理由は「異動」「退職」などに留め、詳細に伝える必要はありません。着任したらなるべく早く業務を引き継いだことをお知らせし、お客様や取引先などに安心してもらえるようにしましょう。

    季節の挨拶を用いた書き出し文例(年末、新年など)

    • <年末>今年も残すところあとわずかとなりました。本年も(は)〇〇様には大変お世話になりました。
    • <年末>年の瀬が迫り、今年も残りわずかとなってまいりました。貴社には本年も格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。
    • <年始>明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になり、ありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
    • <年始>新春のお慶びを申し上げます。旧年中はひとかたならぬご愛顧にあずかり、誠にありがとうございました。本年も貴社のお役に立てるよう、社員一同、誠心誠意努める所存でございます。

    • <春>寒さの中にも、春の気配を感じる頃となりました。
    • <夏>厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
    • <秋>秋の深まりを感じる季節となりました。
    • <冬>寒さが肌にしみるこの頃、お変わりございませんか。

    季節の挨拶を取り入れると、いつもとは違う書き出しのビジネスメールを送れます。季節の変わり目や年末年始は、お客様や取引先などに日ごろの感謝を伝えられるよい機会です。夏季・冬季の休業をお知らせする際に用いてもよいでしょう。

    相手との関係性に合わせた書き出しフレーズを使おう

    ビジネスメールの書き出しとして基本となる「お世話になっております」は、多くのシーンに使えて便利です。しかし、万能ではなく、初めてメールを送る相手やメールを送る前のやりとりを踏まえた上で、シーンに応じた適切なフレーズを使う必要があります。

    現時点での相手との関係性や今後どのような関係を構築していきたいのかによっても、書き出しは変わります。相手との関係性に合わせて適切なフレーズを選ぶことが大切です。また、書き出しがワンパターンになりがち、何か変化をつけたい、ほかの表現にしたいというときにも、この文例を参考にしてください。

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