SNSが日常的に使われる現代ではメールで弔意を伝えることも増えてきました。ただ、メールを送信しておわりではなく、後日、直接追悼の意を伝えることも大切です。
お悔やみメールに関するビジネスマナーとして、押さえておきたいポイントをいくつか紹介します。
このほか、実務の話は極力避けるといった配慮も必要です。悲しむ遺族に対する気遣いを優先し、適切な言葉遣い・文面でお悔やみの気持ちを伝えましょう。
お悔やみメールを作成する際には、注意しなければならない言葉があります。代表的なものを4つ挙げますので、適切に使うようにしましょう。
書き言葉のため、メールや弔電で使用するお悔やみの言葉です。ただ、神式やキリスト教式、浄土真宗などでは「冥福」という表現は使用しないため、相手の宗教・宗派が曖昧な場合には、「お悔やみ申し上げます」や「哀悼の意を表します」といった幅広く使われる表現を選ぶと安心です。
お悔やみのシーンでよく用いられる言葉ですが、これは口語(話し言葉)で使う表現であり、文面で使うのは不適切とされています。
神式やキリスト教、浄土真宗では「冥福」という概念がないため、相手の宗教・宗派がこれらに該当する場合には、「ご冥福をお祈りします」と同じく「安らかにお眠りください」という表現も使用しないようにしましょう。
忌み言葉とは、不幸や生死を連想させる縁起の悪い言葉のことです。例えば「重ね重ね」という表現は忌み言葉の一種である「重ね言葉」であり、同じ音を繰り返すことから「不幸が連続する」と考えられています。このような言葉を慶弔のシーンでうっかり使ってしまわないように注意しましょう。
忌み言葉の例:
重ね重ね、再び、終える、消える、絶える、散る、去る、放す、切る、無くす、続いて、死ぬ、生きていた頃、次々、度々、段々、色々、ますます、いよいよ、わざわざ、ときどき、くれぐれも
例えば、「死ぬ」は亡くなる・他界・ご逝去・ご永眠・旅立つ、「生きていた頃」はご生前・お元気な頃など、忌み言葉は別の表現に言い換えるようにします。
また、宗教・宗派によっては特定の言葉が忌み言葉とされる場合があります。例えば、キリスト教では「成仏」「供養」「冥福」「往生」、仏教では「浮かばれない」「迷う」などです。相手の宗教や宗派がわからない場合も多いと思いますので、忌み言葉にあたる可能性がある表現は避けると無難です。
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・シーン別のメール文例と解説
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ここでは、ビジネス向けのお悔やみメールの一例を紹介します。
「お悔やみ申し上げます」のように、件名は簡潔にわかりやすくしましょう。
本文では「この度は〇〇様(故人)のご逝去の報に際し、心よりお悔やみ申し上げます」などと弔意を伝えます。
相手の心労に配慮し、思いやる姿勢を示しましょう。お悔やみの気持ちを伝えようとするあまり、長文にならないよう注意が必要です。また、お悔やみメールでは業務連絡は極力控え、どうしても必要な場合のみ、最低限の事項で留めます。
結びでは、相手を気遣う言葉で締めるとよいでしょう。
お悔やみメールは、相手との関係性によって書き方が変わります。具体的なシーン別の文例を参考にしてください。
件名:お悔やみ申し上げます
本文:
○○部長
▲▲です。
この度はお父様のご逝去の報に際し、心よりお悔やみ申し上げます。
業務のことはお気になさらず、私たちにお任せください。
どうか、無理をなさいませんよう。
何かお手伝いできることがあれば、いつでもご連絡ください。
なお、本メールへのご返信には及びません。
件名:お悔やみ申し上げます
本文:
○○株式会社
△△様
大変お世話になっております。
●株式会社の▲▲です。
この度はお母様のご逝去を悼み、心よりお悔やみ申し上げます。
あいにくご葬儀に伺うことができず、申し訳ありません。
ご家族の皆様におかれましては、ご心痛もいかばかりかと拝察いたします。
どうかお力落としのないよう、ご自愛ください。
なお、返信のお気遣いには及びません。
件名:お悔やみ申し上げます
本文:
○○株式会社
△△様
お世話になっております。
●株式会社の▲▲です。
この度はお母様の訃報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
突然のことでご心痛もいかばかりかと拝察いたします。
このような折に申し上げることは大変心苦しいのですが、
一点だけ実務の件でご連絡を差し上げます。
◆◆の件につきまして、■■日までにご確認が必要となっております。
ご対応が難しいようでしたら、ご一報いただければ幸いです。
ご無理をなさらず、どうぞご自愛くださいませ。
件名:お悔やみ申し上げます
本文:
○○さん
▲▲です。
ご祖父様が他界されたこと、心からお悔やみを申し上げます。
今は本当に大変な時期だと思うので、どうか無理をしないでくださいね。
仕事のことは気にせず、私に何かできることがあれば遠慮なく連絡ください。
返信の気遣いはしなくて大丈夫ですよ。
件名:謹んでお悔やみ申し上げます
本文:
△△株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
●株式会社の▲▲です。
この度は奥様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
長年にわたり〇〇様(相手)を支えてこられた大切な方を失われ、
どれほどのご心痛かと拝察いたしますと、私どもも胸が締め付けられる思いでございます。
どうぞ今はお仕事のことはひとまず脇に置かれ、
ご静養なさいますようお願い申し上げます。
本メールへのご返信には及びません。
まずは書中にて、謹んでお悔やみ申し上げます。
ご遺族の負担にならないための配慮として、簡潔さと心遣いを意識することが大切です。「お悔やみ申し上げます」などの一般的な表現に加えて、自分自身なりの心遣いの気持ちが伝わる言葉を含めるとよいでしょう。
また、メールを送るタイミングや忌み言葉を避けるといった基本的なマナーを押さえることも大切です。シーン別の文例を参考にしながら、相手との関係性・状況に応じた適切なメールを作成しましょう。
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