仕事をする上で、上司や先輩に何かを教えてもらいたいと思ったことは誰しもあるでしょう。その際、メールで「◯◯について教えてください」とストレートに質問すると、少々ぶしつけな印象を与えてしまうこともあります。
では、ビジネスメールにおいて「教えてください」と丁寧に伝えるにはどのような言い回しが適しているのでしょうか。文例とともにご紹介します。
本来、「教えてください」という表現は敬語として正しいものです。そのため、電話やビジネス会話で使うのには問題ありません。しかし、教えを請うときに使う表現には、よりかしこまったものが存在するため、「教えてください」と書いてしまうと、ビジネスメールでは幼稚な印象を与えてしまいかねないのです。
また、「~してください」を文法的に見ると、「くださる(尊敬語)」の命令形であり、命令をベースにした敬語だということがわかります。命令形なので、相手の状況にかかわらず「もちろん~してくれますよね」といったニュアンスを含むことになり、人によっては失礼だと感じることがあります。
この資料では、これらのことを紹介しています。
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ビジネスメールに適した「教えてください」の尊敬語は、大きく分けて4種類あります。それぞれ具体的に見ていきましょう。
尊敬語としての基本的な形は「お教えいただけませんか」となりますが、ビジネスメールよりも口頭でよく使われる表現です。
<例>
このツールの使い方をお教えいただけませんか。
「お教えいただけませんか」より丁寧な言い回しが「ご指導いただけませんか」です。社内の上司や懇意にしている取引先など、比較的近しい立場の目上の人に対し、口頭でもビジネスメールでも使われる表現です。
<例>
テレアポで成果を出すためのコツをご指導いただけませんか。
目上の人に対して、教えてほしい気持ちを伝えるのに最適な表現が「ご教授ください」です。ただし、この表現は、比較的長期間にわたって指導が必要なことや、専門性の高いことについて教えてもらう場合に使われます。
そのため、教えてもらいたい事柄によっては適切ではない場合がありますので注意しましょう。
<例>
Rubyでのアプリ開発の方法についてご教授ください。
<例>
本件について、◯◯先生に科学的観点からのご教授を承りたく存じます。
<例>
◯◯のデータ資料について、お気付きの点がございましたらご教授いただけますか。
ビジネスシーンで最も使われる表現が「ご教示ください」です。相手の知っている知識や情報、データなどを教えてほしい際に使える表現なので、社内から取引先まで幅広く活用できます。
なお、「ご教示ください」は書き言葉になるので、口頭では「ご指導いただけませんか」などの表現を使うようにしましょう。
<例>
今回の採用にあたって、求める人物像をご教示ください。
<例>
明日の会議の詳細について、ご教示いただけますか。
<例>
恐縮ですが、在庫状況についてご教示いただけますか。
ルールやマナーを知り、ビジネスで使うフレーズを覚えれば、誰でも正しいメールの書き方を習得することが可能です。メール文例も数多くご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。
質問メールを送り、その内容について教えてもらった場合、お礼メールを送る必要があります。その際、感謝の気持ちはどのように表現すれば良いのでしょうか。
「教えてくださりありがとうございました」という表現は、教えてくれた相手の行為に対し、直接感謝の気持ちを表現する言い回しです。「あなたが私に教えてくれたことを感謝する」というニュアンスになります。
「教えていただきありがとうございました」という表現は、教えてくれたことを間接的に感謝する言い回しです。「私があなたに教えてもらったことを、ありがたく思っている」というニュアンスになります。
どちらも正しい敬語表現なのですが、こちらの表現のほうがビジネスシーンではよく使われているようです。
ビジネスメールは文章だけのコミュニケーションのため、表現を誤ると相手に不愉快な思いをさせてしまい、仕事上でのトラブルにつながってしまうおそれもあります。そのため、メールでは特に相手に配慮した表現が求められるのです。
謙虚な気持ちで丁寧にお願いをすれば、相手も快く教えてくれるはずです。正しい敬語を使うのはもちろんのこと、気持ちがしっかりと相手に伝わるよう、敬意を込めてメールを作成するようにしましょう。
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