野球のボールの回転数や相撲の立ち合いのスピードが表示されるなど、様々なデータがテレビのスポーツ中継で取り上げられています。スポーツの世界では、体の動きを数値で解析し、日々のトレーニングに活かしたり、チームの戦略を練るための理論的根拠にするなど「数値化と分析」は欠かせないものになっています。
今回、お話をうかがったのは、日本でいち早くトレーニング用の機器の輸入販売を手がけたフィットネスアポロ社様です。
現在は、スポーツ用ビデオ解析ソフトが主力製品となっている同社で、顧客へ一斉で通知したいバージョンアップ情報やセミナー開催情報のほか、ライセンス更新の案内など、メールで行う業務のために「メールワイズ」を導入したのは2016年6月のこと。
その背景には、受信したメールへの対応ではなく、メールの“配信”に対する悩みが解決できることがありました。その詳細を、スポーツ用ビデオ分析ソフトを担当されている営業部の橘肇氏と川口雄大氏のご両名にうかがいました。
フィットネスアポロ社様は、どのようなビジネスを行っていらっしゃるのですか?
弊社の代表取締役の比佐仁は、もともとスポーツを被写体にしたカメラマンで、40年以上前に、アメリカンフットボールの写真をアメリカへ撮りに行ったことがあるのです。まだ“トレーナー”といった仕事が日本にはなかった頃ですが、現地での機器を使ったトレーニングをみて「写真なんか撮っている場合じゃない」と思ったとのことで(笑)
そこで、1978年、海外からトレーニング機器を輸入するビジネスを始めたのですが、当時の読売ジャイアンツ監督の長嶋茂雄さんの目に留まって、ジャイアンツで機器を使ってもらえることになったのです。
なるほど!それで、いまお話を伺っている会議室には、相当年代物の野球のサインボールやジャイアンツのキャンプの写真などが展示されているのですね。
トレーニング機器から派生して、現在はスポーツ用ビデオ分析ソフトである「Hudl(ハドル)」や「SPORTSCODE(スポーツコード)」が主力製品となっています。
トレーニング機器、ビデオ分析ソフトとも、プロや実業団、大学・高校のスポーツチームのほか、フィットネスクラブなどが主なお客様です。様々なスポーツの日本代表チームでも、ビデオ分析のために「Hudl」や「SPORTSCODE」が活用されています。
「メールワイズ」を検討されたのは、どのような理由があったのでしょうか?
順を追って説明しますと、まず「Hudl」や「SPORTSCODE」の販売後のライセンス管理が大変だったのです。以前は、私のパソコンのExcelやFileMakerで顧客管理のための台帳を作っていましたが、お客様から何か問い合わせがあっても、私が外出中だと「少々お待ちください」と回答せざるを得なかったのです。
お客様に訪問中、何か確認したいことがあって会社に電話をかけても、橘が不在だと「帰社してから確認して回答します」ということに…。
顧客管理の情報を部署内で共有したかったことに加え、さらに「あと2ヵ月でライセンス更新を迎える顧客」を抽出するといったステータス管理を行いたいと思っていたところ、サイボウズの「kintone」を知り、「これはイメージがピッタリ!」と直感しました。
実はこのときに、顧客リスト先にメールを毎月500通ほど手作業で送信している業務をなんとか効率化できないか…とも思っていたのです。「kintoneで顧客先にメールを送ったりすることはできないか?」とサイボウズの窓口担当者に聞いたところ、その課題解決のためにと紹介されたのが「メールワイズ」だったのです。そのため、「kintone」と「メールワイズ」を同時に導入したのです。
500通のメールを手作業で配信というのは大変でしたよね?
アップデート前に予定のお知らせやセミナーの案内などのニュースレターを一斉に送る場合、メール文を作成してから、メーラーでメールアドレスを入れて、文頭に「●●様」と宛先をコピペし、1通1通送っていました。ですから月1回の配信がせいぜいでしたね。コピペを間違えて送信ミスをする…ということもありました。
本当はソフトウェアアップデートをリリースした際のお知らせやサイトの更新などの情報もタイムリーに送りたかったのですが、手作業では負荷が大きいので、月に何度も配信するのは難しかったのです。
さらに、あと2ヵ月でライセンスの更新を迎えるお客様に更新の通知をメールする…という作業も日常的に発生します。同じお客様でも、タイミングの異なる時期に別のバージョンの製品を購入されるケースもあるので、複雑な顧客管理をしながらメール通知するのも大変でしたね。
「メールワイズ」を導入されて、具体的にはどのように変わったのですか?
「kintone」の顧客管理アプリで、どのお客様がどの製品を、いつどれだけ購入されていて、どのタイミングで更新が必要になるかなどを一元的に管理しています。
このアプリから、例えば「Hudlのこのバージョンを購入したお客様」「更新2ヵ月前のお客様」というように、特定の条件に合致する顧客リストが抽出できます。
抽出した顧客リストをもとに「メールワイズ」で送信文面を決め、文頭の宛名は自動差し込みにすることで、一気に送信が完了します。
一斉配信したい内容の場合、以前はデスクに張り付いて1日がかりでしたが、スムーズに業務が行えるので、現在は月2回、コンスタントに情報を配信できるようになりました。
更新に関する通知など、日々の業務も「kintone」のアプリとの連携で、漏れなく行えます。
もともとメール配信の業務を効率化したいとのことで「メールワイズ」を導入されていますが、問い合わせの対応などには活用されていますか?
実はそこはまだなんですよ。今後は活用していきたいと思って入るのですが、まずは課題だったメール送信の業務効率を上げることが優先だったもので…。
いろいろなお客様に取材にうかがったのですが、一番多いのが「問い合わせメールを受けても、対応漏れがあったり二重対応してしまったりするのを何とかしたい」という、「受信したメールへの対応」でした。フィットネスアポロ社様のように、メール配信に特化している使い方は、実は珍しいのですが、こういうニーズは他でもありそうですね。大変参考になりました。 ありがとうございました。
「メールワイズ」をご検討される方へ