退職の挨拶はメールではなく直接行うことが望ましいですが、会うことが難しい場合には以下のマナーを守った上で感謝の心を込めた退職挨拶メールを送りましょう。
退職の挨拶メールを送っても良いタイミングは、会社によって異なります。退職日まで口外できないルールがある場合や退職日の何日前から知らせて良いという慣例が存在する場合もあるからです。社内外ともに会社に確認したうえで対応しましょう。
社内の場合は、会社の慣例に従うのがマナーです。基本的には、これまでお世話になった最後の挨拶として、最終出社日に送信するのが一般的です。有給を取得する場合も最終出社日に送るようにし、多忙な時間に送信するのは避けましょう。また仕事で関わっている方には、最終出社日より前に退職の挨拶メールを送りましょう。そうすることで、業務に関する質問や引継ぎの件などの問い合わせが来た場合にも対応できます。
社外の方へメールを送る場合は、退職の2~3週間前、あるいは遅くとも1週間前までにというのが社会の通例ですが、こちらも会社の慣例に従いましょう。
お世話になった方には個別で送信します。一斉送信する場合には、メーリングリストを活用するか、Toに自分、Bccに送信相手のメールアドレスを入力し、宛名は「各位」「〇〇部のみなさま」などとし、本文でBccで複数の方に送っていることを伝えます。
退職の挨拶をしたほうが良いかどうかは、関係の浅さや深さよりも、業務上退職を伝える必要があるかどうかのほうが重要です。業務で関わっていない方には伝えなくて構いませんが、業務で関わった方への連絡は忘れないようにしましょう。
退職の挨拶メールでは、一目でそのお知らせだと分かる件名にします。例えば社外の場合、社名や氏名を加えて「退職のご挨拶【株式会社〇〇 △△(自分の氏名)】」「退職のご連絡【株式会社〇〇 △△(自分の氏名)】」のようにします。差出人名を、社名+氏名で設定している場合は、「退職のご挨拶」だけでも問題ありません。社内の場合には、「退職のお知らせ」といった件名にしましょう。
退職の挨拶メール本文の内容を社外(取引先)向け、社内全体向け、社内個別向けの3つに分けて、それぞれに見てみましょう。
【社外(取引先)宛て】
・直接挨拶できないことのお詫び
・感謝の気持ち・お礼
・退職日
・後任者の名前・連絡先
・引き継ぎについて
【社内(全体)宛て】
・直接挨拶できないことのお詫び
・感謝の気持ち・お礼
・退職日
・引き継ぎについて
・退職後の連絡先(電話/メール)
【社内(個別)宛て】
・直接挨拶できないことのお詫び
・感謝の気持ち・お礼(具体的なエピソード)
・退職日
・引き継ぎについて
・退職後の連絡先(電話/メール)
なお、退職後の連絡先(電話/メール)を伝えるかどうかは、会社に判断を仰ぎましょう。転職先が同業他社や競合企業などの場合、過去に取引があった企業とビジネスに発展した場合などに「顧客情報を持ち出した」と判断され、トラブルとなるケースもあるためです。退職時こそ「立つ鳥跡を濁さず」を心がけましょう。
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・営業で重要なメールマナーのポイント
・営業でよく使う挨拶・結び・フレーズ集
・シーン別のメール文例と解説
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退職の挨拶メールの基本的な書き方を見てみましょう。
ビジネスメールは、8つの要素で構成されます。「件名」「宛名」「挨拶」「名乗り」「要旨」「詳細」「結びの挨拶」「署名」です。退職の挨拶メールの場合、退職理由を「一身上の都合」とし、「要旨」の部分に記載します。感謝の気持ちやお礼、退職日、後任者などについては、「詳細」で伝えましょう。
ルールやマナーを知り、ビジネスで使うフレーズを覚えれば、誰でも正しいメールの書き方を習得することが可能です。メール文例も数多くご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。
好印象を残す退職メールを書くには、コツがあります。社外(取引先)の場合、退職しても業務に支障をきたさないよう最善を尽くすことを伝えましょう。ポイントは安心感です。それに加えて、お世話になったことへの感謝の気持ちやお礼を具体的なエピソードとともに述べます。
社内(全体)の場合、シンプルにまとめるのがコツです。前述の必要な内容を簡潔に記載しましょう。
同じ社内でも、お世話になった方には個別に退職の挨拶メールを送信します。社内(個別)の場合、感謝の気持ち・お礼に具体的なエピソードを加えることで、気持ちが伝わりやすくなります。愚痴はマナー違反ですから差し控えましょう。
退職の挨拶メールの文例を社外(取引先)、社内(全体)、社内(個別)の相手別にご紹介します。必要に応じてアレンジしてください。
件名:
退職のご挨拶【株式会社■■ ▲▲(自分の氏名)】本文:
××株式会社
△△様
(CC:弊社□□)いつも大変お世話になっております。
株式会社■■の▲▲です。先日の●●の件では大変お世話になりました。
このたび、一身上の都合により〇月〇日(〇)をもちまして
退職することになりました。本来でしたら、直接お伺いしてご挨拶すべきところを
メールでのご挨拶となり大変申し訳ございません。在職中は格別な配慮を賜り、心より感謝を申し上げます。
△△様には数々のご教示をいただき、大変勉強になりました。後任者は、本メールのCCに入れております□□です。
改めて□□からも連絡いたします。----------
□□ □□(後任者氏名)
電話番号:***-****-****
----------退職日までに□□にしっかりと引き継ぎをしますので、
どうぞご安心ください。
□□にも変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。△△様と一緒にお仕事をさせていただいた経験を活かし、
今後の仕事でも全力を尽くしてまいります。△△様の益々のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。
-----
署名
件名:
退職のご挨拶(営業部 ▲▲)本文:
関係者各位お疲れ様です。
営業部の▲▲です。
Bcc送信にて、失礼いたします。このたび、一身上の都合により〇月〇日(〇)にて
退職することになりました。
本日が最終出社日となります。本来であれば直接ご挨拶すべきところを
メールでのご挨拶となり大変申し訳ございません。在職中は、大変お世話になりました。
皆さまには何かとお力添えいただき、心より感謝を申し上げます。
業務を通して学ばせていただいたことを活かし、
今後も精進してまいります。皆さまの益々のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。
-----
署名
件名:
退職のご挨拶(▲▲)本文:
△△部長お疲れ様です。
▲▲です。ご存じかもしれませんが、
このたび、一身上の都合により〇月〇日(〇)をもちまして
退職することになりました。
最終出社日は〇月〇日となります。本来なら直接ご挨拶すべきところを
メールでのご挨拶となり大変申し訳ございません。在職中、△△部長にはいつも熱心にご指導いただき、
感謝の気持ちでいっぱいです。
思うように成果を上げられずに悩んでいたとき、
粘り強く励ましていただいたことが忘れられません。そのおかげで〇〇プロジェクトを成功を収めることができ、
非常に貴重な経験をさせていただきました。△△部長にご指導いただいたことを、
今後の業務に活かしていきたいと思っております。△△部長の益々のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
これまで本当にありがとうございました。
-----
署名
退職の挨拶メールに対して返信が来た場合、そのままにせず、さらに返信しましょう。その際には、「ご返信いただき、恐れ入ります」「ご返信いただき、恐縮です」「わざわざご返信いただき、お心遣い痛み入ります」のように、お礼の言葉を添えます。
退職の挨拶メールをもらったら、返信が必要です。ここでは、退職の挨拶メールへの返信文例を相手先が社外(取引先)と社内の場合の2つを紹介します。
件名:
Re: 退職のご挨拶【株式会社□□ △△(氏名)】本文:
株式会社□□
△△様いつも大変お世話になっております。
株式会社■■の▲▲です。このたびはご丁寧に退職のご挨拶をいただき、誠にありがとうございました。
△△様には、大変お世話になりました。
無理を申し上げたこともございますが、いつも最善を尽くしてくださり、深く感謝しております。ご一緒できなくなるのは残念でなりませんが、
今後はご後任の〇〇様とともに励んでまいります。△△様のさらなるご活躍とご健勝を心よりお祈り申し上げます。
-----
署名
件名:
Re: 退職のご挨拶(営業部 △△)本文:
△△さんお疲れ様です。
▲▲です。退職のご連絡をいただきありがとうございました。
△△さんとは、同じプロジェクトチームのメンバーとして
さまざまな課題を一緒に乗り越えてきたことが印象に残っています。
最後まで諦めない姿勢に、いつも刺激を受けていました。
ありがとうございました。もう一緒に仕事ができないのは残念ですが、
常に感謝を忘れず前向きな△△さんと
仕事ができた経験を活かしていきます。今後の△△さんのご活躍を心よりお祈りいたします。
どうぞご自愛ください。-----
署名
退職の挨拶メールには、書く内容や送るタイミング、個別に挨拶するのか一斉送信するのかなど、基本的なマナーや注意点、書き方のコツがあります。最後だからこそ気持ち良く挨拶し、好印象を残すよう心がけてください。相手別の文例を参考に、退職の挨拶メールを作成してみましょう。
このブックでは、これらのことを紹介しています。
メールの書き方やマナーでお困りの方は必読です!