優れたアンケートとは、結果がそのまま具体的な改善に活用できるものです。例えば、提供するサービスや商品を「大変良い」「良い」「普通」「悪い」「非常に悪い」などと顧客に5段階で評価していただいたとして、その結果の優劣を聞いて一体何に繋がるのでしょうか?
大変良い評価を得たとしても、リピーターにつながらなければ、意味があるとは言えません。ここで言う意味がある顧客満足度とは、今後の企業成長につながる要素を指します。
回答結果をいかにして今後の業務改善に繋げることができるか、これが顧客満足度の調査をするうえでの大前提となるのです。
アンケートをどのような内容にするのか、業種や業態によっても様々であり、選択肢は無数にあるでしょう。だからといって闇雲に質問内容を増やすと回答者の負担になり、それが高まるほどに回答の精度が下降するというのが調査理論の定説です。
また「具体的に良かった点を記載してください」といった、回答を深く考えさせるような質問も避けたいところです。こちらから謝礼を支払うようなケースは別ですが、基本的に顧客の時間を割いてアンケートを実施している訳ですから「なぜ、そこまで協力をしないといけないのか」と不評を買う危険性もあります。
上記の質問は、確かにサービスや商品の提供側としては大変気になる内容です。しかし評価基準のない漠然とした質問ですから、自ずと回答も曖昧なものになります。これらは「顧客志向」の質問ではない典型例です。
アンケートの作成者が最初に考えなければならないのは、何のためにアンケートを行うのかテーマを決めること。それに沿って現状を分析し、回答結果をどのように反映するのか、事前に仮説を立てて後の展開を予想しなければいけません。
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ここではテーマを「ここ最近、顧客離れが進んでいるのは何故なのか?」と仮定し、質問内容を考えることにしましょう。
次に、顧客離れの理由は「顧客が競合他社に乗り換えているのでは?」という仮説を立て、その改善策を探るアンケート内容を組み立てます。
まずはテーマに沿った比較対象を想起させ、その後の回答につなげましょう。上記の質問は過去に比較検討をした事実を記載するだけですので、回答者の頭を悩ませない質問でもあります。
次の質問は少々考えなければならない内容ですが、上の質問で比較対象が出ているため、答えが導き出しやすいはずです。
以上、2つの質問だけでも多くの情報を得ることができます。
問1の結果から顧客層が重なっている現在のライバル企業を見極めることができるはずです。
問2では各ライバル企業と比較した場合の自社の「強み」だけでなく、回答で選択されなかった「弱み」の部分まで推測できます。結果を表やグラフでまとめれば、総合力でA社に勝っている、全体的にアフターケアが認められているなど、顧客からの正当な評価が見えてくるでしょう。
アンケートとは言え、こちら側のことばかり質問するのは礼儀に欠けます。そこで顧客離れを止めるために、これから自社が実行可能な改善策を提案するのも良いでしょう。
問1から問3にかけては顧客目線でありながら「過去→現在→未来」と時系列に沿った質問内容となっています。回答者が順序立てて想像を膨らませることができるため、心理的負担の少ない、答えるのが容易なアンケートと言えるでしょう。
さらに問3は顧客に今後の利益を想起させる未来志向の内容です。ストレスなく自由回答に協力してくださる方も期待できるでしょう。
テーマに沿った回答が得られると確信した後は、質問内容や選択肢を増やさないことも大切。「別件の内容も盛り込んでほしい」といった上司などからの要望を受け入れると、結果として回答率が下がる恐れがあるのでご注意ください。
どうしても質問内容や選択肢を追加しなければいけない場合は極力シンプルに省略し、質問の流れを崩さないタイミングを熟考しましょう。
顧客情報を記載する項目は、アンケートの前半部分にまとめたほうが、回答者の負担軽減に繋がるはずです。「情報の取り扱いについては法令を遵守します」などの宣言もお忘れのないようにしてください。
最後に、アンケート内容はそれ自体が顧客満足度を上下させる可能性があるものです。一方的な質問と受け取られる要素は本当にないのか、最終チェックも重要です。顧客の想いを汲み取る真摯な姿勢で、質問内容を見直しすることをおすすめいたします。
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