メールワイズ by サイボウズ

身に付いている? 挨拶文の基本

メールの書き方
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この記事の内容

    文章での挨拶も真心を込めて

    挨拶文は、取引先への資料の郵送やFAXの送信など、文章を送る際に欠かせないマナーです。ビジネスシーンでは使用頻度が高く、送付状のテンプレートを社内で共有している方も多いでしょう。

    しかし、その味気ない文章を流用するだけでは、大切な顧客への挨拶として十分なものとは言えません。ルールに則り、しっかりと状況に合わせて使いこなすことができれば、丁寧な印象を相手に残すことができ、その後の関係構築にも役立つでしょう。

    【挨拶文の基礎】

    状況に合わせ硬軟を使い分け

    挨拶文を書く際に外せない表現はさまざまです。例えば一般的には「拝啓~敬具」を使用する頭語と結語。目上相手には「謹啓~謹白」などと記すのが礼儀です。

    また、急ぎの場合に使用する「前略~草々」の「前略」は挨拶の省略を意味しますので、目上の相手宛にはもちろん、フォーマルな場面では使用を控えることが無難です。すべての頭語と結語を憶える必要はありませんが、他にもさまざまな表現があることは知識として覚えておきましょう。

    【頭語と結語の組み合わせ例】

    頭語 結語 内容
    拝啓、拝呈 敬具 敬白 一般的な手紙
    謹啓、謹呈 謹白、謹言、敬白 あらたまった手紙
    急啓、急白 敬具、草々、早々 急ぎの内容に使用
    前略、冠省 草々、早々 前文省略
    拝復、謹復 敬具、謹白 返信の場合

    そして、頭語の後に儀礼として続けるのが時候の挨拶。季節感を大切にする日本ならではの美しい伝統です。

    相手にはじめて送る挨拶文や公式文章の場合は、事例集に則った無味乾燥な言葉で構いませんが、普段から儀礼一辺倒では相手に事務的な印象を与えるかもしれません。

    取引先の個人に宛てた場合は「桜の蕾がほころぶ季節となり」など、自分の感性を添えた言葉を加えてはいかがでしょう。相手との距離感を縮めるきっかけにもなるはずです。

    【時候の挨拶の例】

    1月 新春の候、厳寒の候 7月 盛夏の候、猛暑の候
    2月 晩冬の候、梅花の候 8月 炎暑の候、残暑の候
    3月 春寒の候、早春の候 9月 初秋の候、涼月の候
    4月 陽春の候、桜花の候 10月 秋冷の候、紅葉の候
    5月 新緑の候、若葉の候 11月 晩秋の候、菊花の候
    6月 向暑の候、入梅の候 12月 初冬の候、師走の候

    ※ 年間を通して使用できる「時下」もあり

    顧客からの第一印象アップや信頼を築くためのテクニックなど、メール文例を交えて解説します。

    引用だけではない感謝の言葉

    会社宛の挨拶文は時候の挨拶代わりに「時下、貴社におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます」といった挨拶を使用しても問題ありません。

    私的な手紙では相手に無事を尋ねる場面ですが、ここでは「ご清祥」「ご繁栄」「ご発展」などの表現で祝福の言葉を送りましょう。

    個人宛には「ご活躍」「ご健勝」といった言葉が適しています。その後に続けるのは「平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます」など、感謝の挨拶。企業間のやり取りではワンパターンな文章になりがちですが、具体的な感謝の内容を書き記すことは難しくないはずです。

    その後に続く本題に関わるような話題を盛り込むことができれば、より真摯に顧客へ感謝の気持ちを伝えることができ、文章としても美しい流れに仕上がるでしょう。また本題と関連性のない感謝の挨拶であっても、本文の前に「さて」「この度は」といった起こしの言葉を使用することで、挨拶から本題へと話を切り替えることができます。

    本文から繋げる結びの挨拶

    ビジネス文書の本文は、なるべく簡潔に、分かりやすく組み立てるのが基本。回りくどい言い回しにならないよう、最初から「話の結論」を書くことをおすすめします。そこへ「結論に至った理由」や「その証拠」をはじめ、必要であれば「事例」などを箇条書きで構いませんので書き加えていきましょう。

    書き終えたら気持ちを切り替え、差出し相手の立場になって読み返すこと。あたり前の行為のようですが、仕事を長く続けていると無意識の内に簡略化しがちなものです。そして明瞭な内容に仕上がったと判断しても、相手をおもんぱかる心は決して忘れてはいけません。

    そうすれば本文の流れに適した「ご質問やご要望がございましたらお手数ですがご一報をください」「私共に出来ることがあれば最大限の努力をさせていただきます」といった結びの挨拶が自然と湧き出るはずです。そういった真心がなければ、文章にもいい加減さが反映され、いずれは相手にも伝わってしまいます。

    必要なのはマナーと心と文章力

    これから関係性を築くことになる顧客はもちろん、「親しき中にも礼儀あり」という言葉があるように、親密な相手にも挨拶文におけるマナーは重要です。

    「常識や教養がない」と思われないためにも基本を大切に、相手に合わせて内容を書き分けましょう。インターネット上からの情報を気軽にコピー&ペーストできる時代だからこそ、相手の心に響く本当の文章力を持つことは大きな武器となります。

    ひとつのテンプレートに頼っている方も、これを機会に挨拶文のスキルと心を磨いてはいかがでしょうか。

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