お客様、取引先からのクレームに対して、事を荒立てず上手に対処できる人がいます。企業イメージを損ねることなく、最善の対応をするには、どんなことを心がければよいのでしょうか。クレーム対応のコツや押さえるべきポイントを紹介します。
クレーム対応のスキルを上げると、どのような仕事でも重宝されますので、ぜひ身につけましょう。
クレーム対応が上手な人には、クレーム対応時に心がけていることがあります。例えば、次のようなことです。
このような心構えがないと、二次クレーム(対応したオペレーターへの新たなクレーム発生)を招きかねません。二次クレームは、そもそものクレームの原因から離れてしまい、事態の収束や課題解決までに多くの時間を要します。そのうえ、お客様にさらに負担を強いる可能性も高いため、できる限り避けましょう。
クレーム対応の技術を磨いていることも、クレーム対応が上手な人の特長です。短時間でスムーズ、かつお客様に満足していただける対応をするために、下記のことに注力しましょう。
最初から上手にできる人はいません。まずは、クレーム対応のフローに従って、経験を積むことが大切です。
この資料では、これらのことを紹介しています。
・メールソフトでテンプレートを管理する方法
・Excel、スプレッドシートでテンプレートを管理する方法
・メール共有システムでテンプレートを共有・管理する方法
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クレーム対応には、どのようなケースにも共通する対応フローがあります。対面や電話、メール、チャットなどの手段を問わず、基本的に下記の手順で進めましょう。
クレーム対応の第一声は名乗りです。部署名と名前を伝え、責任を持って対応する姿勢を示しましょう。対面や電話の場合、声の抑揚や話すスピードにも注意を払います。電話の場合、第一声は「お待たせいたしました」です。
お客様にお詫びの気持ちを伝えましょう。この段階では、まだクレームの原因がわからないため、全面的に非を認める(全面謝罪)のではなく、お客様に不快な思いをさせたことや不便をかけたことに対して謝罪するようにします(部分謝罪)。下記のようなお詫びの言葉を用いて、傾聴へと進みましょう。対面や電話の場合には必ずメモを用意し、ポイントとなる事柄を記録します。
例)
「この度は、お手数をおかけして申し訳ございません」
「ご不便をおかけして誠に申し訳ありません」
「ご不快な思いをさせてしまい、心よりお詫び申し上げます」など
お客様は感情的になっていることもあるので、「お話をお聞かせいただけますでしょうか」のような表現を用い、傾聴することから始めましょう。お客様は伝えたいことがあって連絡しているので、相槌を打ちながらも話を遮らないようにします。お客様の気持ちが落ち着くまでは、否定や言い訳は慎みましょう。
その間、クレームの原因となった事実確認も重要です。事実確認のポイントは
①事実かどうか
②自社に落ち度があるか
の2点です。5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を意識して、事実関係をひとつずつ確認しましょう。
例)
「どのようなご不便をおかけしましたでしょうか」
「ミスがあったのは、〇〇でお間違いございませんか」
常識的なクレームの場合、その内容は下記の4つに集約されます。
①品質
②接客態度
③社内ルール
どれに該当するかによって、その後の対応が変わってきます。こちらも5W1Hを念頭に、お客様に質問したり、お話を要約したり、ご要望を確認したりして、解決策または代案を提示する準備に入りましょう。
例)
「お客様がご覧になったのは、〇〇でしょうか」
「〇〇ということでございますね」
「〇〇については、ご理解いただけましたでしょうか」
お客様の感情が落ち着き、事実確認を経てご要望までたどり着いたら、解決策または代案を提示しましょう。手順をお伝えする場合は、スモールステップでひとつずつできたかどうかを確認しながら進めます。お客様からのご要望に無理がある場合、安請け合いをせず、必ず上司や責任者に相談しましょう。
例)
「すぐに代替品をお送りいたします」
「△△でお差し支えなければ、本日ご用意可能ですが、いかがでしょうか」
「大変恐縮ですが、あいにくそのようなご要望にはお応えできかねます」
最後に改めてお詫びの気持ちをを伝え、感謝の言葉で締めくくりましょう。クレームは、少なくともお客様が商品やサービスに無関心ではなく、何らかの期待があったことを意味します。気持ちの良い挨拶でクレーム処理を終え、会社への好印象につなげていきましょう。
例)
「貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございました」
「ご意見を真摯に受け止め、改善に努めます。どうもありがとうございました」
「ご指摘いただきましたことは、サービス改善のため、社内で共有いたします。ありがとうございました」
ここでは、メールや電話など、連絡手段を問わず共通するクレーム対応のコツに加えて、自社に落ち度がある場合とない場合とのパターン別に文例を紹介します。
自社に落ち度がある場合、どこにどのようなミスがあったのか、原因究明をした上で心から謝罪・お詫びをするのが基本です。同じミスを繰り返さないための対策を述べます。
株式会社△△の□□でございます。
この度は弊社製品をお買い上げいただき、ありがとうございます。ご注文の「(製品名)」が破損していたとのこと、大変ご不便をおかけして申し訳ございません。
お客様からお送りいただいた着荷時の製品画像を受け、社内で確認しましたところ、配送前の製品には破損がございませんでした。
したがって、配送中の事故と推測されます。
お客様にご不便をおかけしましたこと、改めてお詫び申し上げます。在庫がございますので、すぐに代替品をお送りいたします。
本日、発送を手配いたしましたので、お届けは〇月〇日(〇)となる見込みです。
お受け取りご希望日時がございましたら、お手数ですが、下記のWebサイトからご指定いただきますようお願いいたします。URL:https://www.******.co.jp/ ※メールの場合はURLを記載する
この度は大変お手数をおかけし、申し訳ございませんでした。
ご意見を真摯に受け止め、改善に努めます。
貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございました。----------
署名
お客様の中には、商品やサービス、接客態度などの対応に落ち度がなくても、クレームをつけてくる場合もあります。自社に落ち度がない場合、お客様の意見はしっかり傾聴し、ご迷惑やご不満を抱かせてしまった点について部分謝罪をします。その上で、対応できることとできないことをはっきりとお伝えしましょう。二次クレームを防ぐために、クッション言葉を活用しながら低姿勢で対応します。
使い勝手の良いクッション言葉 |
|
誠に失礼ですが |
早速ですが |
できましたら |
恐れ入りますが |
あいにくですが |
もし可能であれば |
お差し支えなければ |
もし、よろしければ |
度々のことで申し訳ございませんが |
お手数をおかけしますが |
大変申し上げにくいのですが |
要求を伝える場合のクッション言葉 |
|
お手数ですが |
大変恐縮ですが |
恐れ入りますが |
ご多用中とは存じますが |
お忙しいところ恐縮ですが |
ご面倒をおかけいたしますが |
ご足労をおかけして申し訳ございませんが |
否定的な言葉の前に挟むクッション言葉 |
|
申し訳ありませんが |
失礼とは存じますが |
お言葉を返すようですが |
お役に立てず大変恐縮でございますが |
私どもの力不足で申し訳ございませんが |
ご期待に添えず大変申し訳ございませんが |
おっしゃることはごもっともと存じますが |
折角のお話ではございますが |
株式会社△△の□□でございます。
この度は弊社製品をお買い上げいただき、ありがとうございます。ご注文の〇〇が開封時に破損していたとのことで、大変ご不便をおかけしましたこと、お詫び申し上げます。
ネット注文のお客様の場合、着荷時の状態を確認するためにお写真のご送付をお願いしております。
確認いたしましたところ、××様の場合、ご注文は〇月〇日、お届けは〇月〇日、お写真をお送りいただきましたのが〇月〇日でした。
この間、1カ月以上が経過しております。ご購入時に提示いたしております通り、原則として製品の交換はお届けから1週間以内となっております。
お客様の場合、配送中の事故によるものとは言い切れない可能性があり、このタイミングでの代替品の送付というご要望には恐縮ながら、お応えいたしかねます。
せっかくご連絡いただきましたのに、申し訳ございません。貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございました。
----------
署名
判断のポイント |
対応フロー |
|
①不満・疑問 |
常識的な内容 |
事実確認→解決or代替案の提示 |
②理不尽 |
無理な要求(金銭等) |
平静に打ち切る |
③悪意がある |
感情的、人格否定 |
平静に打ち切る |
お客様のご要望は、上記のような3種類に分かれます。無理があると判断するのは②と③の場合です。
【②理不尽】は、無理な金銭や代替品、対応時間の引き延ばしなどを行おうとする人のことです。
【③悪意がある】は、個人に対する暴言や人格を否定する言葉を使う人を指します。
このような方々の要望を満たすことは難しく、最善を尽くしてもさらに別の要望を求められかねません。上手にクレーム対応できる人や組織は、お客様とクレーマーの線引きを明確にし、クレーマーと判断した場合の行動を事前に決めています。
相手を怒らせずに早めに打ち切る具体的なコツは、相手の味方という立ち位置を取って、うまくかわすことです。
お客様から「賠償金を払え」など無理な要求があった場合には、対応できないことを明確に伝えましょう。
例)
「大変申し訳ございませんが、お客様のご要望には沿いかねます」
「恐れ入りますが、そのようなご要望にはお応えすることができません」
「大変恐縮ですが、そういったご要望はお引き受けいたしかねます」
お客様から「教育がなってない」など感情的な発言や人格を否定する発言があった場合、切り上げる際のフレーズを覚えておくと役に立ちます。
例)
「これ以上暴言を口になさるのであれば、対応致しかねます」
「あいにくですが、お力になれず申し訳ございません」
「ご事情をお察しいたしますが、ご期待に沿えず誠に申し訳ございません」
電話でクレーム対応する場合、必ずメモ(記録)をとりましょう。クレームの原因になっているキーワードが何度も出てくることがあるからです。感情的になりやすいお客様への対処法として、「確認します」と伝え、保留を活用する方法もあります。一度、間隔をあけてから対応しましょう。
メールでクレーム対応する場合のコツは、素早い対応に加え、誤字脱字や表現のチェックを重ねてから返信することです。何度もやり取りせずに済むように、必要となる情報や考えられるアクションにつながるURL・連絡先などを明示しましょう。
同じクレームを何度も受けるようでは、お客様が離れていってしまいます。クレームを受けたら、同じミスを繰り返さないような組織体制をつくることが重要です。対応品質向上のため、対応フローのマニュアル化やクレーマーに対する線引きなどを決めましょう。お客様の生の声に誠実に対応することは、顧客満足度の向上につながります。
「メールワイズ」なら、電話とメールの過去の履歴を時系列で確認でき、お客様との過去のやり取りをすぐに把握することが可能です。また、他のスタッフが対応したメール文面をテンプレート化することもできます。「メールワイズ」を活用して、クレーム対応の品質向上を図っていきましょう。
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