ビジネスにおいて相手の体調を気遣うメールを送るシチュエーションには、主に次の2つがあります。
例年、寒くなってくるときなど、季節の変わり目には体調を崩す人が増えたり、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症も流行します。体調不良の方が増えると、欠勤・欠席のメールを受け取取る機会も増えますので、その際は返信として体調を気遣うメールを送りましょう。
この資料では、これらのことを紹介しています。
・営業で重要なメールマナーのポイント
・営業でよく使う挨拶・結び・フレーズ集
・シーン別のメール文例と解説
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相手の体調を気遣うメールには、定番のフレーズがあります。ビジネスメールでよく使われるものを取り上げますので、覚えておくと便利です。
「ご自愛ください」は、相手の体調に対する気遣いを表すフレーズとして、目上の人をはじめとする同等の立場の人、目下の人にも使えます。時候の言葉に続けることも、メールの結びに使うことも可能です。目上の人に対しては、「どうぞ」や「くれぐれも」、「何卒」などの言葉を添えると、より丁寧さが伝わります。
注意点としては、「自愛」という言葉に自分の心身を大切にするという意味が含まれていることから、「お体ご自愛ください」とすると二重表現となりますので避けましょう。また、すでに体調を崩している人には不適切とされています。
「お体に気を付けてお過ごしください」も相手の体調を気遣う表現として、目上や目下にかかわらず幅広く用いられるフレーズであり、メールの結びの挨拶などに使います。「お気を付けてください」というフレーズもよく見かけますが、この場合は「お気を付けください」が正しく、「て」は不要です。
「体」と「身体」はほぼ同じ意味ですので、どちらを使っても間違いではありません。「身体」のほうには存在という意味合いも含まれ、法律や報道などでは「体」が使われるため、「体」とするほうが無難です。相手が体調を崩している場合は「体に気を付けて」と伝えてしまうと、失礼にあたりますので避けましょう。
「お大事になさってください」は、病気や怪我をしてしまった人に対して用いる気遣いのフレーズです。メールを結ぶ際や関係者の家族に対する配慮にも使えます。目上の人や敬意を表したい人には「お大事になさってください」をそのまま用い、同等または目下の人に対しては「お大事にしてください」または「お大事に」としましょう。
「お見舞い申し上げます」は、相手を慰め元気づける際に用いるフレーズです。暑中見舞いなど、相手の健康を気遣うこと全般に使える万能さがあり、病気や怪我だけでなく、事故や災害に遭った人に対しても使えます。目上や目下など、立場や年齢などを気にする必要もありません。
お見舞いの気持ちを強調したい場合には、「心より」や「謹んで」を加えましょう。お見舞いの具体的な理由を添えることで、相手への気遣いがいっそう伝わります。メールの結びに使うこともできますが、挨拶・名乗りに続く要旨で気遣いを示すと気持ちがよく伝わるでしょう。
相手の体調を気遣うメールを送る際のポイントやマナーを見ていきましょう。
メールは、以下6つの要素で構成されています。
体調不良を気遣うメールの場合、一目でそれとわかるように件名を工夫しましょう。要旨で相手への気遣いや業務に必要なことなどを伝え、最後にねぎらいの気持ちや場合によっては返信不要と伝えて結ぶ流れにします。適切なフレーズを選んで簡潔にまとめるのがポイントです。相手を気遣うあまり、メールが長くなってしまわないよう注意しましょう。
まず知っておきたいのは、忌み言葉を避けることです。忌み言葉とは、忌み慎んで使用を避ける言葉のことです。特に、不幸が重なることを連想させるようなものは間違って使ってしまわないように、よく注意しましょう。
体調を気遣うメールの場合、忌み言葉の言い換えを調べるなどして、相手に不快な思いをさせないようにする配慮が必要です。
次に気を付けたいのが、相手にプレッシャーを与えないことです。次のような、復帰を急がせていると受け取れるフレーズは避けるほうが賢明です。
相手を気遣う気持ちは尊いものですが、具体的な症状や病名を尋ねるのも差し控えましょう。療養や治療に専念してもらえるよう、以下のような一言を添えることをおすすめします。
<返信不要とする気遣い>
・ご返信はお気遣いなく
・ご返信には及びません
・ご返信は急ぎません
<療養や治療に対する気遣い>
・十分な療養ののち、元気なお姿を拝見できるのを楽しみにしております。
・どうぞ治療に専念されて、順調にご回復されますようお祈りいたします。
・仕事のことは気になさらず、どうかゆっくり静養なさってください。
ここでは、体調を気遣うメールの文例をケース別にご紹介します。
件名:
Re: 【勤怠連絡】体調不良による欠勤のご連絡本文:
●●課長おはようございます。
▲▲です。本日は体調不良でお休みになるとのこと、承知いたしました。
13時からの〇〇社との打ち合わせにつきましては、■■さんと進めておきます。どうぞお大事になさってください。
-----
署名
件名:
お見舞い申し上げます本文:
株式会社◯◯
●●様いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の▲▲です。●●様がご入院されると伺い、大変驚いております。
心よりお見舞い申し上げます。仕事のことはお気になさらず、くれぐれもお大事になさってください。
十分なご養生ののち、元気なお姿を拝見できるのを楽しみにしております。このメールにご返信は不要ですので、
お気遣いなさいませんようお願いいたします。
取り急ぎ、お見舞い申し上げます。-----
署名
件名:
Re: 体調不良によりお休みさせていただきます本文:
●●さんおはようございます。
▲▲です。本日は体調不良でお休みするとのこと、承知しました。
お大事にしてください。
10時からの会議はこちらで進めておきますので、心配しなくて大丈夫です。ゆっくり休んでください。
-----
署名
体調不良の連絡をした相手が気にしているのは、関係者に迷惑をかけたくない、仕事が滞るのではないかという心配です。その点を踏まえて、返信を作成するのがコツです。
進行中の仕事を引き受けたことに加えて、仕事のことは気にせず、休養や静養、治療に専念してくださいと伝える配慮があるとよいでしょう。
体調を気遣うメールには、用いるべき適切なフレーズや避けるべき表現があります。気遣いが感じられるメールを受け取れば誰でも嬉しいですし、仕事が円滑に進んでいることを伝えればきっと安心するでしょう。体調を気遣う気持ちを上手に伝え、相手との関係を良好に保ちましょう。
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