サイバーソリューションズ株式会社のメール誤送信の実態調査によると、誤った宛先に送信してしまったことがある人が全体の25.9%で、最も多い割合を占めています。次いで、添付ファイルや本文の間違いなど、意図したものとは別の情報を送ってしまうミスをした経験のある人が10.0%、Bccで送らなければいけないところを誤ってToまたはCcで送るミスをした経験のある人が7.6%と続きます。
誤送信をしてしまった際の対応として、誤送信に対する損害賠償請求を受けたことがある人は4.9%と少ないものの、送信先の相手からクレームを受けたことがある人は16.1%を占めています。また、半数以上の65.9%が相手先に謝罪メールを送信し、37.1%が電話による謝罪をしています。このように、ビジネスシーンでの誤送信後の対応には相応のコストがかかります。
データ出典元:サイバーソリューションズ株式会社 【メール誤送信の実態調査2023】
よくある誤送信の例とその対応方法について以下にまとめました。
※以下、「情報漏洩」は保有している機密情報や個人情報などの重要データが本来とどめておくべき場所から外に漏れてしまうことを意味しています。
状況 |
謝罪メール |
謝罪電話 |
上司への報告 |
情報漏洩に該当しない社内メール |
● |
||
情報漏洩に該当する社内メール (例:公表前の人事情報の流出等) |
● |
● |
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情報漏洩に該当しない社外メール |
● |
● |
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情報漏洩に該当 |
● |
● |
● |
重要情報が含まれていない内容かつ社内の場合、宛先間違いや誤字脱字は謝罪・訂正のメールを送れば問題ありません。では、社外の場合はどうでしょうか。重要情報が含まれていないメールを意図した人とは別の人に送ってしまった場合などは、気づいた時点で即座に謝罪のメールや謝罪の電話を一報入れることが望ましいです。
特に注意しなくてはいけないのが、重要情報を含んでいるメールのときです。重要情報を誤って別会社の人に送ってしまったり、BccをCcやToで送ってしまったことによる個人情報の流出など、情報漏洩に該当する場合には社内メールであってもまず上司に報告しましょう。どのような対応を選択するかによって、今後の動きが大きく変わってくるからです。
次に、誤送信をしてしまった場合などで用いる、基本となるメールの書き方をご紹介します。
メールは、「件名」「宛名」「挨拶・名乗り」「要旨」「詳細」「結び」「署名」の7つの項目から構成されます。
メールの誤送信や対応漏れ、二重対応など複数人でメール対応しているときに起こりやすいトラブルとその原因、対策をまとめました。
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メールの誤送信や対応漏れ、二重対応など複数人でメール対応しているときに起こりやすいトラブルとその原因、対策をまとめました。
件名に記載する文言は、誤送信による事の重大さに応じて使い分けましょう。
例えば、社外向けのメールで宛先間違いの場合、情報漏洩とみなされる可能性があります。このような重大な誤送信の場合には、「メール誤送信のお詫び」と記載しましょう。
社内で同姓の別人に送ってしまったり、誤字脱字、ファイルの添付漏れなどの単純な誤送信の場合には、元のメールの件名に「訂正」「再送」を加えるようにします。単純なミスに対して「メール誤送信のお詫び」とすると、相手を驚かせ、かえって手間を取らせてしまう可能性があるからです。
要旨では、誤送信の内容と謝罪の気持ちを伝えましょう。詳細では、どのような誤送信をしてしまったのか、そして今後どうしていくのかについて記載します。メールや添付ファイルの削除依頼が必要な場合は、その旨も記載しましょう。
本文を締める結びでは、同じミスを繰り返さないようにするための心構えや今後の対策を記載します。特に重大な誤送信の場合は、最後に改めて謝罪すると良いでしょう。以下に、お詫びメールでの結びの文例をご紹介します。
・今後はこのようなことがないよう十分(厳重に)注意いたします。何卒よろしくお願い申し上げます。
・今後はこのようなミスがないよう、事前の確認を徹底いたします。この度は大変申し訳ありませんでした。どうか変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
・メールにて恐縮ですが、取り急ぎお詫び申し上げます。(正式な謝罪を対面で行う場合などで用いる)
誤送信を含むメール関連のミスは、気づいたらできる限り早いタイミングで対処することが重要です。よくあるミスや、誤送信後のお詫びメールの文例をシーン別でご紹介します。
社内の重要メールを誤って顧客に転送しまった、A社へのメールを誤ってB社に送ってしまったなど、重要な内容や添付ファイルを含む誤送信は、大きなトラブルの原因になりかねません。直ちに謝罪メールの送付や電話でのお詫びを行います。上司に報告して、適切な対応を選択しましょう。対面での謝罪までは必要ない軽度な誤送信である場合は、以下の例文のような訪問の旨の記載(「後日、上司の□□とともにお詫びに伺います。」「メールにて恐縮ですが、取り急ぎお詫び申し上げます。」)は省きます。
件名:
メール誤送信のお詫び本文:
株式会社◯◯
●●様いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の▲▲です。先ほど、ご依頼の見積書をお送りするつもりが
私の手違いでB社の見積書をお送りしてしまいました。
大変申し訳ございません。
誤ったメールは以下の通りです。--------------------------------------------
送信日時:●●●●/●●/●● ○○:○○
差出人:▲▲
件名:××××
--------------------------------------------誠に勝手なお願いで失礼とは存じますが、
お送りしたメールを破棄していただけませんでしょうか。今後はこのような不手際のないよう、
文書の管理には万全の注意を払う所存でございます。
後日、上司の□□とともにお詫びに伺います。この度は私の注意不足でご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
メールにて恐縮ですが、取り急ぎお詫び申し上げます。-----
署名
なお、情報漏洩に当たる添付ファイルの間違いについても、同様のお詫びメールと対応が必要です。
社内の場合、重要な添付ファイルなどがなければ謝罪メールだけで済む場合もあります。しかし、社外の場合や情報漏洩に該当するような場合は必要に応じて上司と相談し、都度対応を決めましょう。
同じ添付違いでも、商品Aの料金表を送るはずのところBの料金表を送ってしまったなど、添付ファイルの内容が情報漏洩に当たらない場合は、件名に「再送」を加えて正しいものを送り直すといった対応で問題ありません。
件名:
【再送】「■■(商品A)」料金表のご送付本文:
株式会社◯◯
●●様いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の▲▲です。昨日は、「■■(商品A)」ではなく、
「□□(商品B)」の料金表を誤ってお送りしてしまいました。
ご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。正しい料金表をお送りしますので、お手数ですがご査収ください。
今後はこのようなミスがないよう、事前の確認を徹底いたします。
どうか変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。-----
署名
ファイルの添付漏れも、よくあるミスです。添付間違いではなく添付そのものを忘れてしまった場合、ファイルを添付したことをしっかりと確認してから再送するようにしましょう。
件名:
【再送】「■■」企画書のご送付本文:
株式会社◯◯
●●様いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の▲▲です。先ほどお送りしたメールで、「■■」企画書を添付し忘れてしまいました。
大変失礼いたしました。改めて「■■」の企画書をお送りしますので、ご査収ください。
今後はこのようなことがないよう十分注意いたします。
何卒よろしくお願い申し上げます。
-----
署名
思い込みやうっかりで相手の名前や社名を間違ってしまうというのも、よく見られる間違いのひとつです。しかし、仮に漢字の誤変換であっても、氏名や社名の間違いは大変失礼にあたります。気づいたらすぐに、お詫びのメールを送りましょう。
件名:
■■メール内での誤記についてのお詫び本文:
株式会社◯◯
●●様度々のメール、失礼いたします。
株式会社△△の▲▲です。先ほどお送りしたメールで、●●様のお名前を誤って記載しておりました。
大変失礼いたしました。今後はこのようなことのないよう、今後は事前の確認を徹底いたします。
どうか変わらぬお引き立てのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
-----
署名
時間に追われて焦ったりしているときに起こりやすいのが、書きかけのメールを送ってしまうというミスです。完成する前に誤って送信してしまった場合、速やかにメールを完成させて訂正のメールを送りましょう。
件名:
【再送】「■■(商品A)」の納品について本文:
株式会社◯◯
●●様いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の▲▲です。先ほど、編集途中のメールを誤ってお送りしてしまいました。
大変申し訳ございません。改めまして、正式なものを送らせていただきます。
お手数をおかけいたしますが、下記をご確認の上ご返信いただけますでしょうか。
お忙しいところ大変恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。-----(以下、「■■(商品A)」の納品について)-----
先日、ご注文いただきました「■■(商品A)」の
数量、納期、納品場所は、以下でよろしいでしょうか。
※以下、続く
Bccメールの間違いは、メールの取り扱いに慣れてきた頃に起こりがちだと言われています。Bccのメールを誤ってToやCcで送信してしまった場合、取引先や関係者など、相手先のメールアドレスの情報漏洩となります。迅速に謝罪し、メールの削除依頼をしましょう。
件名:
誤送信のお詫び「冬季休業のご案内」本文:
株式会社◯◯
●●様いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の▲▲です。先ほど、弊社の冬季休業のご案内をさせていただきましたが、
本来「Bcc」でお送りすべきところを
私の手違いにより「Cc」でお送りしてしまいました。
ご迷惑をおかけいたしましたことを、深くお詫び申し上げます。弊社がお取引させていただいている企業様の
名称とご担当者様のお名前・メールアドレスがわかる状態になっております。
誠に厚かましいお願いではございますが、
先ほどお送りしたメールを削除していただけますと幸いに存じます。今後はこのようなことのないよう、厳重に注意いたします。
どうか、変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。-----
署名
メールの誤送信が重なると、「慎重さに欠ける」「仕事が粗い」などの印象を与えてしまいかねません。誤送信を未然に防ぐために、なるべく早いタイミングで以下のことを行いましょう。
当たり前のことかもしれませんが、送信ボタンを押す前に必ずメールを見直しましょう。この一手間がミスを防ぎます。書きかけのメールを送ってしまったり、宛名・社名の間違いや誤字脱字がないよう、送信前に「本文を読み返す・宛先をチェックする・添付ファイルを確認する」といった基本ルールの運用を徹底しましょう。
誤送信対策の機能も有効です。例えばGmailには、送信取り消し機能があります。画面右上の設定アイコンから、送信取り消しができる時間を5~30秒の間で設定可能です。長めに設定しておけば、間違いに気づいたときに取り消しが可能です。
多機能なクラウドメールソフトに備わっている機能で誤送信を防止する方法もあります。「メールワイズ」なら、上長の承認後にメールを送信できたり、Bccでの一斉配信と異なり、1通ずつToでの個別メール送信ができます。また、担当者ごとに権限を設定できるなど、誤送信防止に繋がる機能が備わっています。
メールの誤送信は、珍しいことではありません。誰にもミスはありますので、もし起こってしまったら、速やかに対処しましょう。単純なミスだと思っていても、それが積み重なっていくと自分自身の信頼や評判を落としてしまいかねません。誤送信をしてしまった際には適切なお詫びをし、信頼を損ねないようにしましょう。
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