コロナ禍におけるビジネスメール文例集

コロナ禍におけるビジネスメールの基本

新型コロナウイルス感染拡大は、日本のビジネスに大きな影響を与えました。ビジネスの現場においても、自社や、取引先でコロナ陽性者や濃厚接触者が発生し、納期を変更せざるを得なかったり、イベント・セミナーを中止せざるを得ない、担当が一時的に変わらなければいけないなど、通常時とは違うアクションが必要になりました。そうした状況下でメールで連絡をとる場合、正確に自社の状況を伝える、取引先に影響が出ている場合は状況を気遣うなどの配慮が必要です。注意したいポイントを以下にまとめました。

1.冒頭・締めの挨拶を添える

新型コロナウイルス感染によるビジネスへの影響がある、あるいは考えられる場合は、通常のビジネスメールを基本とし、冒頭と締めにコロナ禍ならではの挨拶を添えます。冒頭や締めの挨拶では、状況に応じて、お詫びやお見舞い、ねぎらいの言葉で相手への気持ちを表しましょう。久しぶりに連絡を取る場合、コロナ禍を気遣う一文があると良いでしょう。

2.コロナ禍での自社の状況を伝える

コロナ禍の状況を報告しましょう。どのような状況なのかを知らせることで、丁寧さや誠実さも伝わります。具体的には、コロナ陽性者の有無、濃厚接触者の有無、復帰の見込み、回復のお知らせなどです。ワクチンの副反応でお休みする場合も、伝えておくと親切です。ただし、マイナスな情報を出しすぎるとかえって相手に不安を与えてしまう可能性もありますので、注意しましょう。

3.コロナ禍の影響を伝える

コロナ禍の影響も、合わせて伝えましょう。自身や自社に影響のある範囲について、簡潔に触れる程度に留めます。例えば、就業不可（自宅待機）、資材調達が困難で納期に遅れが生じている、原材料費が上昇しているため価格改定が発生するなどです。

4.対応策を伝える

コロナ禍の影響に対して、自身や自社はどのように対応するのかをできる範囲で具体的に伝えましょう。

【対応策例】

• 別の担当者が対応
• スケジュールの延期／遅延、組み直し
• キャンセル／中止
• 来社制限／オンラインで対応
• 提供価格の変更

療養中はしかるべき担当者・同僚に転送設定を

コロナでの療養中は、しかるべき担当者や同僚などへのメールの転送を設定しておきましょう。お客様や取引先など、相手をお待たせしないためにも、メール転送時のマナーや自動転送の設定を確認の上しっかりと休み、早く復帰できるよう努めましょう。

コロナ禍のメールの冒頭挨拶/締めの挨拶例

コロナ禍の影響を気遣うメールに加えたい挨拶の書き方のコツとその文例を集めました。

冒頭の挨拶例

自身（自社）がコロナ禍の影響を受けている場合、冒頭ではコロナウイルスについて触れず、「いつも大変お世話になっております」など、通常の挨拶に留めておきましょう。あえて書くなら、本題に入る前に一言触れる程度にしましょう。

【取引先がコロナ禍の影響を受けている場合の文例】
・新型コロナウイルスによる影響で大変な状況ではございますが、○○様はじめご一同様はお変わりなくお過ごしでしょうか。

締めの挨拶例

締めの挨拶では、状況に応じてお詫びやお礼を伝え、相手への配慮を表す言葉で結びましょう。

【自身・自社がコロナ禍の影響を受けている場合の挨拶文例】
・ご不便、ご迷惑をお掛けしておりますが、何卒ご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
・このようなご案内をするのは誠に心苦しいのですが、ご理解くださいますようお願いいたします。

【上司・同僚がコロナ禍の影響を受けている場合の挨拶文例】
・部長の〇〇が不在のため、ご心配をおかけしておりますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
・〇〇が自宅療養中につき、ご不便をおかけしており、心よりお詫び申し上げます。〇〇の復帰まで、どうぞよろしくお願いいたします。

【取引先がコロナ禍の影響を受けている場合の挨拶文例】
・不安定な社会情勢が続くかと存じますが、弊社がお役に立てることがございましたら、精一杯サポートさせていただきます。
・このような状況ではございますが、貴社の皆さまのご健康と、益々のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。私どもで何かお役に立てることがございましたら、ご遠慮なくお申しつけください。
・〇〇様におかれましてはご健康に十分に留意され、ご自愛ください。

新型コロナウイルスの影響を受けている場合のメールの書き方

コロナ禍におけるビジネスメールの場合も、「件名」「宛名」「挨拶・名乗り」「要旨」「詳細」「結びの挨拶」「署名」から構成されます。冒頭挨拶でコロナ禍の影響に応じた挨拶を入れ、自社が影響を受けている場合は状況を説明しましょう。その状況から予測される影響に対して、どのように対応するかという対応策を明確に示します。締めの挨拶で改めて謝罪し、相手に理解を求める構成にします。

自社が新型コロナウイルスの影響を受けている場合の文例

就業再開まで別担当が対応する場合の文例

件名：
担当者交代のご連絡

本文：
××株式会社
□□部
△△様

いつも大変お世話になっております。
株式会社■■の〇〇と申します。

この度、弊社担当者●●が新型コロナウイルスに感染したため、
〇月〇日まで自宅待機をする予定です。

つきましては、●●の療養中、私が代わりに御社を担当させていただきます。
●●が回復しましたら、改めて本人より連絡させます。
急なご連絡となり、誠に申し訳ございません。

ご不便、ご迷惑をおかけしますが、
何卒ご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

-----
署名

急きょ別の担当に引き継ぐと、顧客との過去のやりとり、現在の進捗がわからず困ることもあるでしょう。日頃からメール管理ソフトを利用していると、このような場合でもすぐに状況を共有し把握、対応を開始できます。

納期の遅れ（資材調達の困難）のお詫びの文例

件名：
資材調達困難による納期遅延のお詫び

本文：
××株式会社
□□部
△△様

いつも大変お世話になっております。
株式会社■■の▲▲です。

先日、ご発注いただきました弊社製品「〇〇」の納期遅延でご連絡いたしました。

長引く新型コロナウイルスの影響により、
資材調達の関係者に濃厚接触者が多数発生したため、
納期が遅れる可能性がございます。

納品の見込みが判明次第、ご連絡いたします。

多大なご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。

何卒ご理解くださいますようお願いいたします。

-----
署名

イベント・セミナー等を中止する場合の文例

件名：
【開催中止のお知らせ】〇月〇日 〇〇セミナー

本文：
××株式会社
□□部
△△様

お世話になっております。
株式会社■■の▲▲です。

〇月〇日（〇曜日）開催の「〇〇セミナー」についてご連絡いたします。

新型コロナウイルス感染症の動向を鑑みて、
〇〇セミナーの開催を中止させていただくことになりました。

開催間近でのご連絡となりましたこと、
大変恐縮ですがご理解いただけますと幸いです。

状況が落ち着きましたら、開催できるよう検討してまいります。
開催が決定いたしましたら、改めてご連絡します。

ご迷惑をおかけして大変恐縮ですが、ご理解とご了承のほど、
よろしくお願いいたします。

-----
署名

来社をお断りする（オンラインに変更する）場合の文例

件名：
弊社ご来社に関するご協力のお願い

本文：
××株式会社
△△様

いつもお世話になっております。
株式会社■■の▲▲です。

弊社へのご来社についてお願いがあり、ご連絡いたしました。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、
〇月〇日（〇曜日）より、弊社へのご来社を原則お控えいただくことになりました。
大変恐れ入りますが、今後開催予定の会議等につきましては、
オンライン会議への変更をお願いいたします。

既に予定されております会議につきましては
追ってオンライン会議のURLをお送りします。

なお、緊急の用件でご来社の必要がある方は、
弊社担当と事前に調整の上、ご来社をお願いいたします。

その際には、以下3点のご協力をお願いいたします。

・最少人数でのご来社にご協力ください
・ご来社時にはマスクの着用をお願いいたします
・入館時の検温と手指の消毒にご協力ください

恐れ入りますが、何卒ご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。

-----
署名

取引先が新型コロナウイルスの影響を受けている場合の文例

ここでは、取引先がコロナ禍の影響を受けている状況で、相手を気遣う場合の文例を見てみましょう。相手をなるべく手間取らせないように、こちらから提案することをおすすめします。

訪問予定を断る（オンラインに変更する）場合の文例

件名：
オンライン会議への変更のご依頼

本文：
××株式会社
△△様

いつも大変お世話になっております。
株式会社■■の▲▲です。

新型コロナウィルスによる影響で大変な状況ではございますが、
△△様はじめご一同様はお変わりなくお過ごしでしょうか。

お約束の御社ご訪問予定につきまして、
大変恐れ入りますが、オンライン会議に変更をお願いしたいのですが、可能でしょうか。
当日は、以下のオンライン会議URLからご参加をお願いいたします。

■お打ち合わせ
日時：〇月〇日（〇曜日）〇〇～〇〇
URL：

お忙しいところ、直前の変更依頼で恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。

-----
署名

コロナ禍におけるメールに対する返信文例

先方からコロナ禍の影響を受けているというメールを受け取ったら、気遣いつつ、業務に支障が出る可能性がある場合は、どのような対応が見込めるのかも確認しておきましょう。

上司や同僚が就業不可になった場合の返信文例

件名：
Re：弊社●●の新型コロナウイルス感染にともなう自宅療養について

本文：
××株式会社
△△様

平素より大変お世話になっております。
株式会社■■の▲▲です。

●●様の件、丁寧なご連絡をいただきありがとうございました。

自宅療養中とのことで、お加減はいかがでしょうか。
ご同僚のご不在に、△△様のお疲れもさぞかしのことと拝察します。
ご健康に充分に留意され、ご自愛ください。

感染された●●様に心よりお見舞い申し上げますとともに、
一日も早い回復をお祈り申し上げます。

-----
署名

取引先の担当者が就業不可になった場合の返信文例

件名：
Re：新型コロナウイルス感染確認のご連絡

本文：
××株式会社
△△様

大変お世話になっております。
株式会社■■の▲▲です。

掲題の件、早々にご連絡いただきありがとうございました。

新型コロナウイルスに罹患されたとのこと、心よりお見舞い申し上げます。
業務のことはお気になさらず、お体第一でお過ごしください。
順調に回復なさり、元気なお姿を拝見できますよう、お祈り申し上げます。

-----
署名

メールをチームで対応することで、有事への対策を

コロナ禍が長引くと、いつ誰が療養に入ってもおかしくありません。日頃からメールを含む顧客対応をチームで行うことで、万が一の場合にも、会社としてスムーズな対応ができるようになります。不測の事態に備えておきましょう。