今回取材したのは「株式会社翔泳社」様。
IT、ビジネス、資格など様々な書籍や雑誌を出版するほか、Webメディアやイベント運営など、手掛ける事業は多岐にわたります。
メイン事業となる出版部門の書籍増刷業務において、本ごとに大勢の人間が関わる複雑なコミュニケーションにメールワイズが活用されています。
社内外の関係者が多い業務において効率的でミスのない情報伝達のためメールワイズを導入した背景、そしてコロナ禍における業務環境がテレワークへと変わっても、通常通りに業務ができたのは、メールワイズのおかげだったという理由を株式会社翔泳社の書籍業務部の田岡 孝紀 様、システム開発課の飯岡 誠 様に、リモート取材にて、同社における活用法を聞きました。
御社では本の「増刷」業務において、メールワイズを活用しているそうですね。
はい、弊社では増刷を専門に担当する部門があり、ある本を増刷する時は、担当者が本を作った社内の編集者や、著者、デザイナー、印刷会社など、たくさんの人と連絡を取りながら進めます。その業務にメールワイズを活用しています。
増刷の部隊は何名ぐらいいるのですか?
社内の担当の他に社外のスタッフにも協力していただいて数名で進めています。増刷というのは「売れるタイミング」を逃してはいけないので、スピード感が重視されるためです。もちろん、そのうえで業務を正確に進めることも大切です。
関わる人数が多いうえに、スピードも重視するとなると、進捗などの情報共有はモレのないよう確実に進めていかないといけないですね。増刷が決まってから出版に至るまでは、どのようなプロセスがあるのですか?
増刷が決まったら、まずはその本の編集担当に伝えます。そして、編集担当もしくは増刷の担当が直接、著者に連絡をします。増刷のタイミングで、内容を修正することもよくあります。例えば法律が変わった時や、記載しているソフトウェアのバージョンが新しくなった場合などですね。その変更内容を著者に確認して、組版会社と呼ばれる修正を担当する会社に作業を依頼します。最終データを印刷所に渡して製本に至る、というのが、大まかな流れですね。
当然、本によって作業内容は違うのでしょうね。
その通りです。著者が複数人いる本もありますし、修正箇所も、文字なのか図版なのか本によってまったく異なります。複数の本を次々と同時進行しますし、なかなか定型業務にはならないんです。
メールワイズの導入前は、どのようなツールを使っていたのですか?
担当者はGmailを使っていましたが、それぞれのメールについて対応したかどうかが非常に分かりづらいことが問題でした。大量にやり取りを行なうので、「メールを送ったつもりがしていなかった」「届いたメールを見落としていた」といったことがありました。
そこで、システム部門のほうで、それらの課題を解決するツールの導入を検討し始めたのですね。
はい。弊社では、お客様への問い合わせで使っていた社内システムの転用を含め検討しましたが、社内の基幹システムにあたるので、セキュリティ的なリスクがありました。
そこで、メールワイズを含め、3社のメール共有システムを比較検討したのですが、メールワイズは「無料トライアル」で、実際のUIや操作性を試すことができました。使いやすさ次第で生産性も変わってきますが、トライアルの段階でその点の不安が最初に解消できたのは大きかったです。また、弊社では以前から同じサイボウズが提供しているkintoneを導入していたので、メールワイズのアイコンがkintoneメニューに出てくるなど、親和性の高さも魅力でした。
導入にはどれくらい時間がかかりましたか?
特に問題もなく、1~2日で終わったと思います。必要なアカウント管理の設定をするぐらいで、簡単に導入できてしまいました。その後も勉強会などの必要もなく、担当者もすぐに使えるようになりました。
実際に増刷の業務で使っていくなかで、どんな点にメリットを感じましたか?
担当者の話では、「書きかけ保存」の機能はすごく便利だと聞いています。メールワイズではひとりが下書きをつくって、それに別の人が加筆修正をしてから送信する、ということができます。普通のメーラーを使っていたら、加筆のために何往復もやり取りしなければならなくて、面倒で間違いも起こりやすいのです。
確かに、ちょっとした確認でもいちいちメールを送っていると、重要なメールが埋まってしまうリスクがありますよね。
そうなんです。
あと、「コメント機能」も便利だと言っています。いちいちメールを返信しなくても「確認しました」「分かりました」など記入できて、それを一覧で見られるのはとても助かります。
例えば社内の編集者に口頭で「あの件は大丈夫です」と言われたら、メールが残らないので、履歴を探った時に「これってOKだったっけ…?」と分からなくなってしまうことがあります。それがメールワイズなら、コメント欄に「〇月〇日、OKもらいました」と書けるので、後から見た時にすごく便利なんですよね。
ほかに、増刷の業務ならではの苦労を解消してくれるような機能はありますか?
アドレス帳ですね。本の場合、ひとりの著者が、違う本を何冊も書いている場合も多々あります。その場合、「この方はこの本とこの本を書いている」という情報をアドレス帳に残せるので、混乱することもなく助かっています。
さて、このコロナ禍の中、増刷部門では働き方に何か変化はありましたか?
現在、社内の担当者は週数回の出社で、テレワークとなっています。一緒に作業をしている外部の方も在宅勤務になっています。
テレワークで苦労している点などはありますか?
基本的に出版の仕事は、テレワークとの親和性が高いとは思います。とはいえ、遠く離れたところにいる人たちが仕事を進めると、当然メールの量も多くなり、メールの情報共有の環境がきちんと整えられていなかったら、確認がまばらになるなど、作業に支障があったでしょうね。その点、メールワイズを既に使っていたので、苦労しなくても対応履歴などのデータが保存される。落ち着いて仕事がしづらい環境に変化した今、メールワイズのメリットをさらに感じます。
クラウドサービスのメールワイズは社外からもアクセスできるので、テレワークでもそのまま活用いただけているのですね。
コロナ禍のために突然働き方が変化したわけですが、メールワイズを使った業務の進め方が既に整っていたので、テレワークへの移行もスムーズでした。例えば、もし一般的なメーラーを使っていたら、未読・既読が分かるだけで、どう処理したかが分からず、対応モレが多く生じたかもしれません。その点、メールワイズはメール一覧画面上で未処理から処理完了までを管理するため、タスク管理としてメール処理が終わるまで一覧に残るので、対応モレもなく助かっています。
今後はどのようにメールワイズを使っていきたいか、展望を教えてもらえますか?
増刷の業務についていえば、先に申し上げたように、定型の仕事ではないので、人を増やしたり、あるいは担当者が変わって引継ぎを行なったりすることが、今までは非常に難しかったんです。その点、業務自体はフォーマット化しづらいものの、「進め方」ということではメールワイズの導入によって、ある程度決まったフローができました。それによって、新しい人材を入れることや、チーム制といった展望も考えられます。コミュニケーションが不可欠な業務なので、テレワークでもしっかり情報共有のできるメールワイズを導入して、本当に良かったと思います。
他の部署についても、問い合わせなどメールベースで行う業務で、システム化できていないものについては、今後メールワイズを活用していく可能性もあると思います。
人数が多くなったり、違う業務でお使いになったりすると、メールワイズの他の様々な機能がよりお役に立てると思います。
本日はどうもありがとうございました。
「メールワイズ」をご検討される方へ