2018年、サイボウズの「kintone」カスタマイズを、ノンプログラミングかつ直観的なユーザインタフェースで実現する「gusuku Customine」(グスク カスタマイン)をリリースしたアールスリーインスティテュート(以下、R3)。誰でもシステムをつくることができるというkintone最大の特徴を、さらに容易に拡張することができるツールとして注目されています。
サイボウズともつながりの深い同社ですが、「メールワイズ」を導入いただいた経緯や、アプリとの連携も含めた導入効果等について、チーフ・イノベーション・オフィサーの金春 利幸 様、カスタマーサクセス担当の池上 様、契約管理担当の阪口 様にお話をうかがいました。
サイボウズとのつながりはいつ頃から始まったのでしょうか?
創業は2000年で、当初はいわゆるSIerとしてWeb等のシステムを手掛けていたのですが、2014年からサイボウズさんとのお付き合いが始まって、kintoneを中心としたシステム開発にビジネスをシフトさせてきています。
システム開発をきっかけに、kintone連携サービスの提供へ繋がったのでしょうか?
何度も開発を続けているうちに、kintoneのカスタマイズの典型的なパターンが見えてきて、毎回毎回JavaScriptでプログラムを書くという、車輪の再発明のようなことをするより、私たちでツールを作ってサービス化しようということで「gusuku Customine」の提供を始めました。現在はこのサービスをシステム開発とともにビジネスの両輪にすべく動いているところです。
kintoneはかんたんにアプリを作れますが、さらに簡略化できる部分があったということですね。
kintoneは、プログラミングができない方でも、マウス操作で自分たちだけでシステムが作れるという大きな魅力があります。 しかし、kintoneの標準機能では実現できない機能というのが存在します。 今までは、「そこは開発が必要ですね」とJavaScriptによるプログラミングが必要になっていました。そこが今まで我々の仕事になっていたのです。
その部分もユーザー側で実現できるようなツールを提供しようとサービス化したのが、gusuku Customine ということですね。具体的にどんなことができるのでしょうか。
そうです。画面上で自分たちが実現したい機能を設定することによって、gusuku Customineが自動的にJavaScriptを生成して、システムに適用できるという仕組みです。これによって、kintoneの標準機能では実現できなかった範囲の機能も含めて、自分たちで機能追加できる幅が拡がりました。
御社のインサイドセールスのツールは、メールワイズを含めた複数のサービスを組み合わせて利用しているとのことですが、どのような構成になっていますか。
メールワイズとkintoneの連携だけでなく、gusuku Customineの利用状況データや、電話のサービスなども繋げて利用しています。
ツールの一つとして、メールワイズを使っていると思うのですが、インサイドセールス全体についての話を教えて頂けますか?
kintoneでユーザーを管理するアプリを作って、そのアプリ画面からアクション対象となるユーザーにメールや電話対応を行なっています。例えば、電話を掛ける際には、Amazon Connectというコンタクトセンターサービスと連携させているので、この画面から直接電話を掛けられるようになっています。
画面上でボタンを押せば電話が掛かるわけですね。
そうです。画面上のcallボタンを押すことで、電話番号のフィールドに入っている情報で自動的に電話がかかります。また、問い合わせ対応した履歴を「活動履歴」という別のアプリに入れるのですが、電話を発信すると同時に自動的に活動履歴の追加画面がポップアップされる仕組みになっています。
コールセンターにあるような対話しながらスムーズに登録できる仕組みですか?
電話を掛けながら対応した内容をこの画面上に履歴として入れることができるような仕組みです。メールワイズと連携させているので、電話対応の履歴だけでなくメールのやり取りも履歴で、一元的に見られます。
メール対応もスムーズにできていますか?
同じ画面の中で、テンプレートアプリに登録したテンプレート一覧が出てくる形になっていて、その中から選んでメールを作成すると自動でメールワイズの画面が開きます。宛先のメールアドレスや宛名の部分は、kintoneで該当する項目に入っている情報が自動的に入力されるので一連の流れで対応することができます。
現在、メールのテンプレートはどのようなものがあるのですか?
インサイドセールスで使うものは、状況伺いや、お礼メール、あるいは登録情報の不備がある場合に更新を促すような内容です。
実際にインサイドセールスのシステムを使っている担当の方は、何名いらっしゃるのですか?
インサイドセールスのアプリを活用しているのは4人ですが、実際に使って電話しているのは2人です。
お客様とのやりとりはどのようなイメージでしょうか?
インサイドセールスに関しては、gusuku Customineのフリープランにご登録をいただいたお客様に対して、こちらから能動的にアクションを起こすイメージです。まず「ご登録いただいてありがとうございます」とお電話をさせていただいて、その際にお客様からご要望などを頂くこともあります。
ファーストコンタクトはどこまで対応していますか?
最初はgusuku Customineでどういうことができるのか、あまりわかっていらっしゃらないお客様が圧倒的に多いので、ご登録いただいた直後に私たちから電話します。そこでお客様に簡単なカスタマイズを説明して、「こんなことができるのか」というイメージを持ってもらうきっかけ作りや、テンプレート集、サポートサイトなどのご案内をしています。
有料プランに移行したお客様への対応には、どのように使われていますか?
有料プランになっていただいたお客様には、「有料申込みをいただいてありがとうございます」というサンクスコールや、3カ月か4カ月ぐらいのスパンで、ご利用状況をお伺いしたりするケースで使っています。お客様のカスタマイズを入れたアプリの数や使用状況を可視化しているので、ご契約いただいているプランとカスタマイズしたアプリ数を把握してご連絡ができます。
アクションはコールのみですか?
コールだけでなくメールも送っています。有料プランになってからは、契約を管理するアプリもあります。そちらではご契約内容や請求先の情報、ご契約のご担当者の情報などを管理していて、メールを送る際はメールワイズを使う形で連携しています。
お客さんはもちろんたくさんいらっしゃるでしょうから、このような形で管理しておかないと大変ですね。
そうですね。自分が対応できないものを、他の担当に振ることもあり、情報集約がされていないと、これまでそのお客さんに対してどういう対応をしてきたのかという背景がわからなくなるので、情報共有という意味でもすごく役に立っています。
またお客様に関しては、インサイドセールスのメンバー以外にも、直接お客さんのところに訪問していくフィールドセールスメンバーも関わっているので、別の担当者が対応した場合も、活動履歴のところできちんと履歴を残しています。
契約管理におけるメリットはどのような部分でしょう。
メールワイズでやりとりをさせていただいたメールが履歴として出ますので、過去のお問い合わせの履歴や、契約期間が終わる前に確認メールを送る際送り漏れがないかなど、一元的に確認ができるというところはメリットが大きいです。また、先ほどと同じように「契約いただいて1年経ちます」の確認メールや、新規契約いただいたときのメールなど、メールの種類が多岐にわたるので、様々なテンプレートを連携できるのは、非常に便利です。
メールテンプレートの種類が多いですね。
種類は結構多いですね。お送りするメールの種類が多く、記載する内容が細かく違うので、テンプレートがないと漏れが発生します。また、テンプレートにお客様の名前までセットできるメールワイズの機能を使っているので、たくさんのメールを送る際には非常に助かっています。
この契約管理は何名ほどが使っているのでしょうか。
編集するのはほとんど私1人だけです。あとは、事務を担当しているメンバーもここの情報を見て、請求書などを送りますね。契約に関するベースの情報やお客様とのメールのやり取りまで、集約しているアプリになっています。
インサイドセールスと契約管理のアプリについて、「こんなことを可能にしたい」など展望はありますでしょうか。
システムは、やはり使っていく中で使い勝手がよくない部分が出てくるものです。そういう部分を、運用しながらどんどん自分たちで変えていけることがkintoneのメリットなので、気づいたらその都度変えるようにしています。
全てのデータが蓄積されるので、新しく担当者が増えたときにも過去のデータをすぐに掘り起こせますね。
はい。インサイドセールスに新しい人が入ったとしたら、「過去のやり取り見て」という形で対応できます。
利用を続けることで、個人ではなく会社としてのノウハウや資産になりますね。
退職など人の入れ替えと一緒に、営業活動でやり取りしたメールが消えないという点にも大きな価値を感じました。
本日はありがとうございました。引き続き、複数のツールを組み合わせていった経緯を伺わせていただきます。
「メールワイズ」をご検討される方へ